研究課題/領域番号 |
15650089
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
戸川 達男 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (40013859)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 絶対音感 / 体温 / 恒温動物 / コミュニケーション / 進化 / 個体識別 / 音感測定装置 / 体温調節 / 音声コミュニケーション / 親子の識別 |
研究概要 |
恒温動物の精密な体温調節が進化したのは、聴覚による周波数弁別機能が適応度に寄与し、聴覚が温度依存性を持つことによるという仮説を裏付けるため、絶対音感保持者の音感の体温依存性を調べることを計画した。音感の測定のため、レバーで周波数が可変できる音源(2台)を用い、7名(男性1名、女性6名)の絶対音感保持者を被検者とし、A音(440Hz)を決定させ、決定周波数を0.1Hzの精度で測り、測定直後の体温を耳式体温計で計測した。測定は最長2ヶ月間毎日2回行った。その結果、若干例において決定周波数が体温に依存する傾向が認められたが、体温の上昇時に周波数が低下する例(最大約4HZ/℃)が多かったものの、逆の傾向を示した例もあり、現時点ではまだ結果をまとめる段階に至っていない。短期間の体温の増減と決定周波数の変動には相関が見られることから、体温と音感には何らかの関係があることが示唆されている。被検者の中には5Hz(半音の約1/5)以下の誤差でA音を決定できる者がおり、周波数および体温の測定精度も十分であったが、大きな体温変動が見られなかったため、聴覚の温度依存性を裏付けるに十分なデータを得るには至らなかった。短時間では周波数決定の再現性が高いことから、計測精度は十分であるが、体温以外に周波数決定に影響を与えている要因がある可能性が高いので、その要因を特定することも今後の課題である。今後さらに例数を増すとともに、体温変化の大きい場合の観察を期待しており、十分なデータを得た時点で発表する予定である。
|