研究概要 |
実験動物はWistar系雄ラットとした.ラットを無処置対照群(CONT,n=5),後肢懸垂群(HS,n=5),後肢懸垂+電気刺激群(HS+ES,n=5)の3群にわけた.各々を個別ケージ(276×445×204mm)で2週間飼育した.脛骨神経-ヒラメ筋標本摘出前に体重を測定した.HS+ES群に対する電気刺激は経皮刺激装置(Kinetizer NT、ミナト医科学製)を用い1日15分間連日刺激した.麻酔下で摘出した標本を修正Krebs液約20mlで満たした液槽内に固定した.神経筋接合部から微小終板電位及び終板電位を記録するには細胞内微小電極法を用いた.3M-KC1を充填した抵抗8〜12MΩの細胞内微小電極からの電気信号を,微小電極用増幅器(DPZ-16F,ダイヤメディカルシステム社製)により増幅し,デジタルストレージスコープ(DS-9121,IWATSU社製)で観察しつつ,データレコーダー(XR-50,TEAC社製)の磁気テープに記録した.終板電位を発生させるために,刺激電極として,吸引電極を用い,脛骨神経を吸引した.電気刺激装置(3F46,日本電気三栄社製)およびアイソレーター(5384,日本電気三栄社製)を用い,刺激電圧を最大上刺激とし,持続時間1msec.の矩形波パルスの反復刺激を0.5Hzの頻度で50回,脛骨神経に与えた.以上により得られたデータの解析は,微小終板電位及び終板電位の立ち上り時間,振幅,微小終板電位の発生頻度について行った. 結果:2週間飼育後の体重は,HS群、US+ES群で有意に低下した.CONT群と比較してHS群では立ち上り時間は遅延傾向が見られたがHS+ES群ではその傾向が見られなかった.振幅はHS群では有意に増加したが,HS+ES群では有意な差が見られなかった.また微小終板電位の発生頻度はHS群では有意に低下したが,HS+ES群では有意に増加した.
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