研究概要 |
現在の外国語語学教育では,主に書き言葉を中心とした文法・訳読法による体系論的な学習で進められている.外国語のコミュニケーション能力を身に付けるには,学びたい言語を耳で聞き,それにより言語を理解し,動作に結び付けて学習する必要がある.これを実現するため,コミュニケーションを重視したネットワークを用いたコンピュータ上における語学学習支援環境に注目した.近年のネットワークやコンピュータ技術の向上により,ビデオ会議システムを用いて離れた教師と学習者が映像と音声を用いて直接コミュニケーションを行なうことが可能である.通常のビデオ会議システムを用いた学習では,記録が残らないためその会話映像を用いた教育的な指導が行いにくいという問題がある.また,通常の映像編集ソフトを用いた場合,編集履歴が編集後の映像に残らないため,どのように変更されたかがわかりにくい.つまり,元の映像自体を修正してしまうため,学習には用いにくいと言える.そこで,本研究では会話映像を用いた教育的な指導が行えるシステムの構築を行った。映像の編集には紙面上で行われる添削の概念を用いた映像添削を提案した.本年度は,ユビキタスを指向したビデオ添削システムにおける支援システム・ツールを設計し,構築したプロトタイプシステムの評価を通してシステムを構築した.具体的には,以下の課題に取り組んだ. (1)評価のための教材データベースの設計と構築の検討(矢野,緒方,越智) (2)教材データベースの評価・考察・改良(矢野,金西) (3)システムを統合し,実際の授業で長期間にわたる評価(緒方,金西) (4)モバイル環境下での映像の添削手法の検討とプロトタイプ化への検討(葉田) (5)システムの再構築と再評価を通した,プロトタイプシステムの改良(緒方,金西) (6)本学工学部でのu-Campusプロジェクトへ本研究の成果を還元し,実証的な検証の検討(矢野,緒方,金西) (7)研究成果のまとめ(矢野,緒方,金西)
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