研究課題/領域番号 |
15650184
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
橋本 明 愛知県立大学, 文学部, 教授 (40208442)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ゲール / 精神医学史 / 精神科家庭看護 / ベルギー / 精神医療史 / 19〜20世紀ヨーロッパ / 精神医療 |
研究概要 |
当研究の目的は、ベルギー・ゲールにおける精神科家庭看護の実践が19〜20世紀の精神医療に及ぼした国際的な影響を、当地の精神病院に残されている見学者名簿(1892〜1936年)の分析を通して明らかにすることである。名簿にみる外国人訪問者のうち、平成16年度は1回の国外研究を通じて、おもにオーストリアからの見学者と見学の背景に関する調査を行った。とくにゲール見学者を多く出しているニーダーエスタライヒ出身者と当地における精神医療改革、とりわけ次々に建設されていった公立精神病院と家庭看護導入との関わりを追求するため、ニーダーエスタライヒ州立文書館(Niederosterreichisches Landesarchiv)および同図書館(Niederosterreichische Landesbibliothek)、ウィーン大学文書館(Archiv der Universitat Wien)および同図書館(Universitatsbibliothek Wien)を訪れ、当資料の閲覧と収集を行った。その結果、1900年前後に相次いでゲールを訪れた公立精神病院の精神科医たちの詳細、および1902年のマウアー・エーリング精神病院(Heil- und Pflegeanstalt Mauer-Ohling)設立にいたるまでの議論とオーストリアで最初となるこの病院での家庭看護の実施状況が明らかにされた。他方、国外調査と平行して、インターネットでの検索・電子メールでの問い合わせによる見学者情報の収集、国内外の図書館を通じての調査を通して、見学者の基礎データを蓄積した。 また、調査の本筋から外れるが、ゲール見学もした呉秀三(東京帝国大学精神病学教室)の留学先であるウィーン大学の文書館にて、当時の授業登録簿をデジタルカメラで撮影することができた。この資料がこれまで日本で公表されたことはなかった。
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