研究課題/領域番号 |
15651045
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ構造科学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
横野 照尚 九州工業大学, 工学部, 教授 (10203887)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 二酸化チタン光触媒 / 窒素ドープ / 鉄イオン / 還元処理 / 表面修飾 / 分子認識能 / 可視光応答性 / 選択的反応 / 二酸化チタン / 遷移金属 / 光触媒 / 機能集積 / 硫黄カチオンドープ / 炭素カチオンドープ / 可視光応答型 |
研究概要 |
1.鉄吸着窒素ドープ二酸化チタンの還元処理による触媒活性の向上 一般に応用製品として利用されている二酸化チタン光触媒は、紫外光照射下でしか触媒活性を発現しない。しかし、室内などの用途範囲を広げるためには可視光に対する応答性をあげ、触媒活性を発現させることが不可欠である。そこで、窒素ドープ二酸化チタン上に電子アクセプターとして鉄イオンを吸着した後に、還元処理することで、光触媒上の鉄ナノ粒子の粒子径と分散状態をコントロールした。その結果、超高感度可視光応答型の窒素ドープ二酸化チタン光触媒の開発に成功した。この触媒は、現在まで報告されている光触媒の中で最高活性を発現することが明らかになった。 2.選択的反応機能を有する二酸化チタン光触媒の開発 二酸化チタン粒子は紫外光照射下で、高効率でOHラジカルを発生し、二酸化チタン光触媒表面に吸着したほとんどの有機物を分解してしまう。この特性は反応媒体に存在するすべての物質に酸化力を分散するために目的物質へ投入される酸化力が低下してしまう。また、光照射下で触媒表面は超親水性の傾向を示し、疎水性物質との親和性は急速に低下するため表面濃度の低下を招き、触媒活性の著しい低下をもたらす。このような問題を解決するために炭化水素鎖、炭化フッ素鎖、芳香族、4級アンモニウム誘導体(カチオン性)官能基を有する二酸化チタン粒子表面を修飾し、表面修飾官能基の特性に伴うナノ反応場の構築を検討した。その結果、炭化水素鎖で修飾することで疎水性のアルデヒドに関して分解活性が5倍程度向上した。また、芳香族官能基では、芳香族官能基を有する基質を選択的に分解し、炭化フッ素鎖を有する官能基を導入した光触媒は、炭化フッ素鎖を有する基質を選択的に酸化することが明らかになった。また、カチオン性官能基では、アニオン性を有する基質を選択的に分解した。この様に、二酸化チタン表面に導入する官能基の特性に依存した選択性を発現することに世界で初めて成功した。
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