研究課題/領域番号 |
15651046
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ構造科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
辻 正治 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (30038608)
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研究分担者 |
辻 剛志 九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (50284568)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ナノ微粒子 / ナノロッド・ワイヤー / マイクロ波加熱 / コアシェル微粒子 / 金属ナノ微結晶 / 結晶成長 / ナノワイヤー / ナノプリズム / ナノシート / ポリオール法 |
研究概要 |
本年度は、まずマイクロ波加熱による銀のナノロッド・ナノワイヤーの合成を試みた。銀のようなfcc構造の貴金属の一次元ナノ構造体を作製するには、核発生剤と保護安定剤が大きな影響を及ぼすことが、これまでの研究で判明している。今回保護安定剤として使用したpolyvinylpyrrolidone (PVP)は同じ添加量でも、平均分子量が36万のPVPを保護安定剤に用いた方がPVP(Mw=1,4万)の場合より一次元ナノ構造体の形成に有利であることがTEM観測から判明した。 また一段階目で合成した一次元Agナノ構造体をテンプレートとして原料であるAgNO_3と再反応させることで、より伸長した一次元Agナノ構造体の調製を検討した。その結果、長軸方向の伸長に原料が優先的に消費されてアスペクト比の非常に高い一次元Agナノ構造体の生成可能なことがわかった。この伸長過程でロッド・ワイヤー以外の球形粒子を除去後に伸長反応を行なうことで、原料を効率的に使用でき、かつ更なる伸長が可能なことが判明した。実際に遠心分離によりロッド・ワイヤーの分離を試みた結果、分離1回目は一次元ナノ粒子の数密度が50%以下であったが、分離8回目は80%以上に向上した。 昨年度までマイクロ波加熱を用いた金属ナノ材料の合成研究を行い、HAuCl_4をPVP存在下エチレングリコール中で加熱・還元すると金のナノ微結晶がわずか2,3分の加熱時間で迅速合成可能なことを見出した。本年度はこの微結晶を種微粒子として用いてAgNO_3を還元すると新規なコアシェル構造を有するAu/Ag複合ナノ微粒子が合成可能なことを見出した。マイクロ波加熱による還元は最初の金コア粒子の合成とそれに続く銀のシェル構造の合成の2段階で行った。結晶構造解析はTEM SAED, EDS分析により行った。三角形コアプレートからは逆三角形のシェル、8面体コアからはcubicシェル、10面体双晶からはロッド状シェル構造が選択的に生成することを見出した。このような構造が出現するのはPVPがAuでは{111}、Agでは{100}面へ選択的に吸着するためとして理解できた。
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