研究概要 |
1.本研究の目的は、食品に含まれる抗酸化剤のキサンチンオキシダーゼに対する阻害活性を調べて、キサンチンオキシダーゼによるスーパーオキシド生成反応の安全で選択的な阻害剤を開発することです。虚血再潅流(酸化ストレス)時の酸素毒による傷害の予防と治療に役立てたい。 2.カシューナッツなどに含まれるアナカルディック酸は、カルドールと共にキサンチンオキシダーゼに対して特徴ある阻害活性を示す。その特徴ある阻害を反応速度論的に解析して、その成果をBBA(2004)雑誌に発表した。 3.アナカルディック酸及びカルドールは長鎖のアルキル基を持つことに注目して、海外の共同研究者(久保伊佐夫・米国カリフォルニア大学)が長さの異なるアルキル鎖を持つ没食子酸アルキルを化学合成した。それらの化合物がキサンチンオキシダーゼ反応へ及ぼす作用を反応速度論的に研究した。その結果は雑誌へ投稿中である。 4.特徴ある阻害活性を持つと推定される植物を選び、含まれる天然物がキサンチンオキシダーゼ活性に及ぼす作用を研究した。その結果は雑誌に投稿中である。 5.この研究と関連して先天的に酸化ストレス下にあるアカタラセミア(カタラーゼ欠損)マウスを使って、生体の反応、抗酸化剤の効果について研究し、その結果を雑誌に発表した(AJPRP2004,腎とフリーラジカル2004,ビタミンE研究の進歩2004)。また、その他の関連する共同研究の結果を雑誌に発表した(CB2004,CCA2005,BCSJ2005)。 6.本研究を加速させるため、研究代表者は2004年7月に米国に出張した。また、同年12月には海外の研究者を岡山大学に招聘して共同研究を行った。 7.本研究によりキサンチンオキシダーゼの選択的な阻害剤の基礎研究が進みました。これを基に、安全で選択的な阻害化合物を開発して、ヒトに役立つ研究を進めたい。
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