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ハンセン病問題についての「物語的正義」に関する生命倫理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15652001
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 哲学・倫理学
研究機関新潟大学

研究代表者

宮坂 道夫  新潟大学, 医歯学系, 助教授 (30282619)

研究分担者 藤野 豊  富山国際大学, 人文社会学部, 助教授 (70308568)
研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードハンセン病 / 生命倫理 / 医療倫理 / 正義 / 物語 / ナラティヴ / 近現代史 / 隔離政策 / 断種 / 懲戒検束
研究概要

ハンセン病問題を「物語的正義」論の観点から再検討することが、本研究の目的である。そのために、(A)資料・文献研究と(B)聞き取り調査を併用しながら、以下の点について理論構築を行った。1)パターナリズムとしての絶対隔離政策、2)患者団体による患者の権利運動の展開とその社会的受容、3)<語り手>としての患者と<聞き手>としての知識人の乖離と責任の所在、4)<伝え手>としてのマスメディアの責任、5)病者に対する社会的な<無関心>と<偏見>の形成と存続、6)医療についての<正義>に求められるべき特質(<語り手><伝え手><聞き手>それぞれの立場の責任、および公正な意思決定の手続きとはいかなるものか)。
本年度の実績としては、理論研究と資料研究の双方で順調な成果を見た。研究代表者の宮坂は、単著『ハンセン病重監房の記録』を来年度初め(平成18年4月14日予定)に刊行する予定である。これは、本研究で行った聞き取り調査、資料調査などの結果を盛り込み、特にハンセン病療養所に設けられていた懲罰施設(とりわけ収監者が多数死亡した過酷な懲罰施設であった栗生楽泉園の「重監房」)に焦点を当てて概説したものである。そのような施設において、患者に保障されるべき裁判を受ける機会が与えられず、療養所職員の裁量罰として不当な監禁が行われた実態を明らかにし、さらには、それらがメディアや国会等でいかに論じられ、廃止に至ったかを検証した。患者らは、こうした不当な人権侵害について、戦前から訴え続けていたのだが、保健医療などの専門職、マスメディア、国会議員、および一般国民が、それを聞き入れるまでに長い時間がかかった。
共同研究者の藤野は、『近現代日本ハンセン病問題資料集成 補巻』(全8,9巻)を刊行した。これは、『近現代日本ハンセン病問題資料集成 戦前編』(全8巻)および『同 戦後編』(全10巻)に引き続き、ハンセン病問題研究の一次資料の集成であり、この問題を研究する上での重要な基礎的資料となるものと考えられる。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2006 2005 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (5件) 文献書誌 (8件)

  • [雑誌論文] ハンセン病問題と部落問題の接点「特殊部落調附癩調」の意味するもの2005

    • 著者名/発表者名
      藤野 豊
    • 雑誌名

      部落解放研究 164号

      ページ: 37-46

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] ハンセン病 重監房の記録2006

    • 著者名/発表者名
      宮坂 道夫
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      集英社
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 近現代日本ハンセン病問題資料集成 補巻 第8巻2005

    • 著者名/発表者名
      藤野 豊
    • 総ページ数
      239
    • 出版者
      不二出版
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 近現代日本ハンセン病問題資料集成 補巻 第9巻2005

    • 著者名/発表者名
      藤野 豊
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      不二出版
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 医療倫理学の方法-原則,手順,ナラティヴ-2005

    • 著者名/発表者名
      宮坂道夫
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      医学書院
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] 近現代日本ハンセン病問題資料集成 補巻 1-52005

    • 著者名/発表者名
      藤野 豊(編, 解説)
    • 総ページ数
      1800
    • 出版者
      不二出版
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 宮坂道夫: "ハンセン病問題の歴史と現在"診療研究. 394. 14-21 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] ハンセン病訴訟勝訴一周年記念シンポジウム実行委員会(編): "お帰りなさい! ハンセン病・北陸からの訴え"桂書房. 173 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 藤野豊(編): "近現代日本ハンセン病問題資料集成-戦後編- 第1巻"不二出版. 349 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 藤野豊(編): "近現代日本ハンセン病問題資料集成-戦後編- 第2巻"不二出版. 380 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 藤野豊(編): "近現代日本ハンセン病問題資料集成-戦後編- 第3巻"不二出版. 422 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 藤野豊(編): "近現代日本ハンセン病問題資料集成-戦後編- 第4巻"不二出版. 375 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 藤野豊(編): "近現代日本ハンセン病問題資料集成-戦後編- 第6巻"不二出版. 390 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 藤野豊(編): "近現代日本ハンセン病問題資料集成-戦後編- 第5巻"不二出版. 321 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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