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聖遺物信仰の成立と信仰圏の形成過程に関する日欧比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 15652005
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 宗教学
研究機関高知女子大学

研究代表者

青木 淳  高知女子大学, 文化学部, 助教授 (00305806)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード聖遺物 / Riemenschneider / 快慶 / 宗教改革 / 像内納入品 / 巡礼教会 / 重源 / 鎌倉仏教 / 法然 / 東寿院 / 備前国 / 牛窓 / 慈円 / 稚児 / 遺骨信仰 / カタコンベ / 勧進 / 祖師崇拝 / アドリア海 / 遺物伝承
研究概要

本年度は聖遺物の成立過程における、聖遺物器や仏像などの製作者である職能民たちにおける信仰の問題を中心に検討と調査を進めた。
まずヨーロッパにける聖遺物信仰の展開については、昨年までに引き続きハプスブルグ家関係の聖遺物ならびに、聖遺物収集の過程についてウィーン周辺で調査を行った。またあらたにミュンヘン、バイエルン州立博物館所蔵のリーメンシュナイダー(Riemenschneider 1460年頃〜1531年)ならびにその工房による作品の確認と、製作地における活動の様子や背景について検討を進めた。リーメンシュナイダーはドイツの宗教改革期における、ヨーロッパを代表する彫刻家であったが、合わせてヴュルツブルクの市会議員から市長を務め、さらに農民戦争にあっては農民側を支持したために敗れ、司教側に捕らえられ、監禁、拷問を受けるなど、テクノクラートとしての一面を持ちながら、社会思想や信仰の問題に精通していたという点では、わが国における定朝や快慶のような仏師の足跡と重ね合わせられる側面を持つ。
またわが国における関係する研究としては、鎌倉時代に活躍した仏師快慶(116頃〜1250?)の死後、その工房の消長について論じた論文「快慶以後」(法蔵館刊『仏像美術と歴史文化』)を発表した。古代的な荘園制度の解体後、中世的な世界が形成される中で、血統も身分も定かではない快慶が、東大寺や興福寺といった造像活動の場を失って以降、その工房の職能民たちとともにいかにその組織を維持していったかという問題を論じた。リーメンシュナイダーと快慶は、ともに新時代の造形と価値観の変節を表現した芸術家として、またその造形指向は個人の信仰世界を背景として形成されたものであることを改めて確認できたものと考える。聖遺物信仰の展開は今後、巡礼や勧進、鎮魂といった視点との関係をふまえながら、より具体的な調査を重ね、また新たな研究のステージを創造する契機としてみたい。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件) 文献書誌 (4件)

  • [雑誌論文] 快慶以後2005

    • 著者名/発表者名
      青木 淳
    • 雑誌名

      仏像美術と歴史文化(法蔵館刊)

      ページ: 373-403

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 仏師快慶とその信仰圏2004

    • 著者名/発表者名
      青木 淳
    • 雑誌名

      日本仏教の形成と展開(法蔵館)

      ページ: 228-250

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 高知県下における仏像の造像圏と地方様式2004

    • 著者名/発表者名
      青木 淳
    • 雑誌名

      高知県文化財総合調査報告書 論考編

      ページ: 11-52

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 東寿院阿弥陀如来像2004

    • 著者名/発表者名
      青木 淳
    • 雑誌名

      日本彫刻史基礎資料集成 鎌倉時代 III

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] 東寿院阿弥陀如来像像内納入品資料(日文研叢書34号)2005

    • 著者名/発表者名
      青木 淳
    • 総ページ数
      196
    • 出版者
      国際日本文化研究センター
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 青木 淳: "仏師快慶と天台関係の造像活動"日本宗教文化史研究. 7-2. 33-54 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 青木 淳: "仏師快慶と慈円"宗教研究. 77-4. 102-104 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 青木 淳, 山田奨治: "仏像の数量分析の試み-快慶による如来形像の流れ-"人文科学とコンピュータ. 2003年号. 18-24 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 水野敬三郎監修, 青木 淳ほか: "日本彫刻史基礎資料集成 鎌倉時代II(二冊組)"中央公論美術出版. 380 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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