研究概要 |
本研究の目的は,ベルリン=ブランデンブルク科学アカデミー(以下BBAW),および中央編訳局・北京と協力して,東北大学附属図書館所蔵の『哲学の貧困』マルクス自用本書込のデジタル化・データベース化をはかり,新MEGA第IV部マルクス/エンゲルス旧蔵書欄外書込巻の編集方針を明確にすることにある。 具体的には,1.マルクス自用本全ページの画像データを作成する。2.マルクスの書込の解読原稿を完成し本文画像に埋め込む方式を確立する。埋め込むデータには,ウーティーヌ夫人宛献辞本の書込を含める。3.さらにその後の刊本(エンゲルス編集)における書込利用の実態を埋め込む。4.従来の書込再現方式と新方式を比較し,後者の卓越さを具体的かつ詳細に解明する。5.新MEGA第IV部マルクス/エンゲルス旧蔵書欄外書込を収録するCD-ROM版新MEGAの編集要項を確定する。以上5課題を達成することである。 研究計画完成年度にあたる本年度は、昨年度に引き続き、これら諸課題の達成、すなわち課題1-3についてはその点検と補完を、課題4,5についてはその解明、確定に取り組み、諸課題全体の完結=研究成果の公表・普及に取り組んだ。 こうして、本研究成果の核心部分が東北大学附属図書館および大学院経済学研究科のホームページから検索閲覧可能となる一方、この間、大村はイタリア・ナポリで開催された国際会議に招聘され、成果の公表に取り組み参加者の大きな関心を呼んだ(この報告は次年度イタリアで公表される)。また窪をファーストオーサーとする研究論文がドイツの学術専門誌で公表された。日本国内では、経済学史学会2004年度全国大会(於北星大学、2004年5月)で報告した。
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