研究課題/領域番号 |
15652030
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本語教育
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
坂元 章 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (00205759)
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研究分担者 |
小林 久美子 日本学術振興会, 特別研究員
スクワイアーズ トッド 日本学術振興会, 特別研究員
森山 新 お茶の水女子大学, 留学生センター, 助教授 (10343170)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 3次元MUD / 遠隔教育 / 日本語教育 / 異文化理解教育 / 渡日前教育 |
研究概要 |
本研究では、3DMUDシステムを日本語教育に利用し、日本語と日本文化教育を行い、その有効性や長所・短所、渡日前日本語・日本文化教育などの実用化へ向けての課題などを模索することを目的としている。 本研究では活用したのは、アメリカのCRGが開発した3DMUDシステムである。3DMUDシステムは日本の野村総研なども開発を行い、実用化を果たしているが、文字(チャット)を主たるコミュニケーション手段としている点で語学教育には不向きである。またボイスチャットやビデオチャットを導入したものも実用化されているが、3DMUDを活用した場合のように、同じ場に居合わせて授業を行っているといった臨場感はなく、また教師が発言の主導権を握り、学生同士が自由に討論を行うといった形式にはなっていない。 本研究が用いたシステムは、音声を主たるコミュニケーション媒体とした3DMUDであるという点で、両者の限界を克服し、語学教育に最もふさわしい環境を提示してくれるものとなっている。授業は2004年度に日本への留学を予定している韓国の大学3年生12人を対象に行い、学生は韓国側から、教師は日本側から3D仮想授業に参加した。また後半の日本文化教育では、韓国、日本双方から学生が授業に参加し、討論型の授業が行われた。 授業は2003年10月から2004年2月まで毎週行われ、前半は講義形式の日本語学習中心の授業、後半は討論形式の日本文化学習中心の授業が行われた。 授業の後、学生には感想を書いて提出してもらった。 感想文によると、おもしろい、家でも授業に加われるのでよい、国を越えて授業ができる、顔が見えないので自由に話ができるなどのよかった点がある反面、音がよくない、操作がうまくいかないときがある、顔が見えないので話しにくいといった問題点も指摘された。問題点の多くは音声や操作に関するものであることを考えると、今後の技術の発展を待てば、実用化の可能性は十分あり、今後渡日前の日本語・日本文化教育に役立てられると思われる。
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