研究課題/領域番号 |
15652040
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
今津 勝紀 岡山大学, 文学部, 助教授 (20269971)
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研究分担者 |
隈元 崇 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (60285096)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | GIS / シミュレーション / 地震 / 聖武 / 仏教 / サイスモテクトニクス / 危険度評価 / 古代史 |
研究概要 |
本年度は最終年度につき、当初の計画通り、地震動の復原を行った。 (1)天平六年に活動した地震を地震調査研究推進本部地震調査委員会の評価により生駒断層帯と考えた。松田(1975)の式(log(L)=0.6M-2.9)に活断層の長さ38kmを代入しマグニチュード7.46を得た。マグニチュード7.5の規模の地震であった。 (2)最大加速度と最大水平速度をもとめ、距離減衰と地盤増幅率を考慮して、1kmメッシュ単位に揺れを計算し計測震度に直した。計算結果は、シェープファイルにて出力してGISソフトに取り込み、関連資料の空間情報をあわせて表示し、解釈を試みた。 (3)天平6年地震の直前に聖武天皇は難波に行幸しており、竜田道を利用して平城宮に戻るが、その際、竹原井頓宮に宿泊している。竹原井頓宮はこの時期に一度廃絶し、更地に直されて作り直されていることから、地震による被害があった可能性が高い。高井田廃寺(鳥坂寺)にも地震の被害が出ていた可能性が考えられる。 (4)天平六年の聖武一切経は発願理由が特徴的で、奈良朝の写経が特定の個人の供養などを念頭に置いているのに対して、「全身延命・安民存業」を目的としており、特定の個人の供養を念頭においたものではなく、衆生を対象としたものであった。天平六年・七年と地震などの災異に対して、大般若経の転読や大赦を実施しているが、天平六年の一切経の発願も地震を前提としたものであった可能性が高い。 (5)研究の成果は、『朝日新聞』(2006年3月2日)にて紹介され、2006年3月4日に今津勝紀・隈元崇の連名で第22回条里制・古代都市研究会大会「天平六年の地震と聖武天皇」(於:奈良文化財研究所)にて発表した(『条里制・古代都市研究』に掲載予定)。
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