研究課題/領域番号 |
15653003
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国際法学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浅田 正彦 (淺田 正彦) 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90192939)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 国際機構 / 条約 / 国際機構設立条約 / 決議 / 国際機構設立文書 |
研究概要 |
昨年度は、条約に基づくことなく設立されたと考えることのできる4つの政府間国際機構の設立文書とその実行について実証的に検討を行った。その結果、条約に基づくことなく設立された国際機構が本部協定を中心に法的拘束力ある条約を締結しているという事実が判明した。 本年は、このような事実をいかに理論的に理解することができるかという点について検討を行った。その結果、なお仮説の域を出ないが、次のようないくつかの考え方ができるのではないかという結論に達した。 第1に、設立文書を、通常の条約ではないにしても、特別の形式の条約と見るということが考えられる。包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委設立文書に対するイギリスの態度がその例である。しかし、この考え方は考察の前提と矛盾することになる。第2に、設立文書が全体としては条約でないとしても、その一部の関連規定に法的な効力を有するということが考えられる。CTBTO準備委設立文書の第7項はそのように考えることができる。第3に、国際機構の事務局本部の存在からくる必要性に基づいて条約が締結されるということも考えられる。化学兵器禁止機関(OPCW)準備委の本部協定をそのように考えることも不可能ではない。 この第3の場合が肯定されるならば、国際機構の法人格に関する客観説が支持されることになりそうであるが、必ずしもそうではなく、OPCW準備委が本部協定を締結する際に、準備委のすべての構成国が準備委の条約締結能力を黙示的に承認したと考えれば、第3の場合もなお主観説によって説明できるということになる。
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