研究課題/領域番号 |
15653012
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
理論経済学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中村 豊 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (80180412)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 限定合理性 / 満足化原理 / 許容判断 / 経済合理性 / リスク下の意思決定 / 期待効用最大化 / リスク化の意思決定 |
研究概要 |
リスク下および不確実性下における合理的な意思決定研究においては、意思決定者の選好順序が満たすべき合理的な性質を公理的に明らかにすることにより、期待効用モデルの合理的意思決定としての基礎づけがなされてきた。しかしながら、多くの実証的研究により、期待効用モデルの記述的な限界が明らかにされてきたために、意思決定者の選好順序が満たすべき性質を一般化することにより、期待効用モデルよりも一般的な非線形期待効用理論が中心的に研究されてきている。これに対して本研究では、選好順序の代わりに満足化原理を『許容できる』という単項関係の性質として捕らえ、それを公理的に明らかにすることにより、限定合理的な意思決定モデルを構築することを目的としている。具体的な成果としては、代替案がギャンブル(単純確率分布)で与えられる場合、サベージ流のアクトで与えられる場合など、さまざまな状況下において、この単項関係の数量的表現として、効用関数の集合(必ずしも有限ではない)が存在し、それぞれの効用関数の期待効用が正になるとき、またそのときに限り許容できるという形で表現出来ることを示した。また、リスク態度などの経済エージェントをモデル化する重要な概念いついても、満足化原理の枠組みで捕らえる試みを行った。また、ファイナンス意思決定における満足化原理の意義についても研究を行った。 上記の理論的研究以外にも、行動ファイナンス分野における限定合理的モデルなどについて広くサーベイを行い、文献、資料等のPDF化などによりデーターベースの構築も行った。
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