研究課題/領域番号 |
15653017
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
WALSH John P. 東大, 先端科学技術研究センター (10345134)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 産学連帯 / 技術移転 / 特許 / 産学連携 / ベンチャー企業 |
研究概要 |
本年度、日本の大学における特許化戦略、ひいては日本の大学の研究成果の技術移転の実態について、東京大学の工学分野とバイオ系分野の教員を対象とした質問票調査を行った結果、産学連携時代中に大学教員の産業貢献活動が増え、例えば産業間関係は増加し、特に中小企業との関係は過去5年間で急激に増加、共同特許出願、技術ライセンス、及びコンサルチングは5年前より増加した。 しかしながら、同時にインフォーマルな活動や産業展開につながらない公的な科学活動も盛んにしている。例えば、我々のデータによると、5年間に及ぶ産学連携促進のための改革を経た後も、どの分野においても大学研究者は、企業研究者と特許の共同出願を行うよりも論文の共著を行うことの方が多い。寄附金については、企業と大学研究者の間の贈与交換関係を形式化するための改革が導入されたにもかかわらず、企業から寄附金を受け入れている教員の比率はどの分野においても上昇した。 更に、学術研究と産業貢献活動の関係も考察するため、10年間論文公刊数が上位10%に入っている「スター科学者」という研究者とそれ以外の研究者を比較した結果、「スター科学者」の方が大企業や中小企業との間の研究協力関係を持っている比率が高く、企業と共同特許出願、技術ライセンスしたこと等の比率が高い。更に、スター科学者の方が早い段階から積極的に企業との関係を築いている。つまり、学術スターは盛んな産業貢献活動があってもこれらの活動は学術活動に補完的なわけである。 以上を取りまとめると、ここ数年の制度化された技術移転の促進を目的とした制度変革はその目的を達していることが明らかになり、制度改革はまた、より全般的に大学・産業間関係を重視する意識をもたらした。しかし、このような新しい役割は,以前からの制度化されていない贈与交換の形を取る技術移転を置き換えるものとはなっていない。
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