• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

集団就職世代の技能習得に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 15653029
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 社会学
研究機関宇都宮大学

研究代表者

黒田 英一  宇都宮大学, 地域共同研究センター, 助教授 (50305976)

研究期間 (年度) 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード集団就職 / 技能習得 / 独立・創業 / 職業移動 / 階層移動
研究概要

本研究では、集団就職世代の工場経営者・商店主を対象に聞き取り調査を行った。聞き取り調査結果をまとめると、次のようになる。
1 集団就職により大都会に出てきた中卒者のうちわずかしか工場経営者・商店主になることができなかった。それ以外の者は、大都会で転職を重ねて雇われ職人や単純労働者になり、あるいは帰郷卸した者、消息不明などである。
2 努力してそれなりに工場経営者・商店主になれたのは、勤務した先の経営者に恵まれたことである。良き「社長」「おやじ」に恵まれて、そこで技能を徹底的に修得させられただけでなく、仕事以外の面でも厳しく躾けられた。
3 集団就職世代が厳しい就業環境のなかで習得した技能は、職種や産業によって違いがみられた。小売業のように2,3年で習得できる接客・サービスの技能もあれば、10年近くたってようやく身につく大工や旋盤の技能もあった。
4 就職先は住み込みであり、経営者と同じ屋根の下で暮らしたことから、集団就職世代にとって、就職先はもうひとつの家庭となった。生まれ故郷に次ぐ「第2の家庭」であった。
5 「一国一城の主」になることができなかったものの、集団就職は中学卒業者にとっては大都会に入ることができる最初の一歩であり、その後の人生の入り口ともなった。
こうした研究成果をふまえると、集団就職はよきにつけ悪しきにつけその後の人生のひとつの契機となっており、たまたま艮き経営者に恵まれた者だけが、工場経営者・商店主となって「サクセス・ストーリー」を演じることができたといえる。厳しい競争であっても、大都会は技能を磨けば社会階層を移動できる機会を若年労働者に与えていた公正な社会であった。

報告書

(1件)
  • 2003 実績報告書

URL: 

公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi