研究課題/領域番号 |
15654040
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
粕谷 厚生 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (10005986)
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研究分担者 |
須藤 彰三 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40171277)
伊藤 隆 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 助教授 (40302187)
香川 昌宏 (香川 昌弘) 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80005967)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ポーラスシリコン / 光電極材料 / 光触媒 / 光電気化学反応 / 水の光分解 / 水素終端表面 / ステップ表お面 / 水素終端面 / ステップ表面 / 水素発生 / 表面状態 / 水素不純物複合体 |
研究概要 |
本研究では水素原子を終端したシリコン完全結晶表面をポーラスシリコンの理想モデルと見なして単純な平坦面から凸凹なポーラス面に至る試料について順次光電気化学的特性を解析し、光触媒効果を原子的素過程として解明する。即ち光照射によりシリコン内部で励起された電子が表面に吸着する水素と電荷の授受を行い、分子として脱離する過程を電気化学分光、電子分光、赤外分光などの測定技術を駆使して詳細に解析することを目的とした。 初年度に光電気化学セルを作製し、2年度に引き続いて電解液中の電気化学測定と走査トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡測定並びにラマン散乱分光による反応過程のその場観察を行った。また赤外分光、超高真空走査トンネル顕微鏡と高分解能電子エネルギー損失分光の組み合わせ装置により、反応中間体や生成物の同定を試みてきた。 3年次において以下の結果と結論を得た。 1.シリコンは表面を水素で終端することにより、還元電位より卑であれば電機化学的に極めて安定であることがわかった。これにより良質なショットキ障壁が形成される。 2.H+がHに還元される反応では表面を終端する水素は脱離することなく結合し、安定な電極として働くことが重水素をつかった赤外分光測定で明らかになった。 3.更にこの反応において電解液中のHは表面のみならず内部にまで侵入し、表面準位を形成することがわかった。この表面準位が電気化学反応の効率に重要となることがわかった。これに表面の凸凹が加わると表面積を増やすことのみならずに反応活性点も増加し、極めて高効率の電極になることが始めて理解されるに至った。
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