研究課題/領域番号 |
15654047
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 克哉 大阪大学, 極限科学研究センター, 教授 (70283736)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 超高圧 / レーザー / 金属-絶縁体転移 / 金属水素 |
研究概要 |
従来の爆薬や高強度レーザーを使用した過渡的な手法によらないテラパスカル領域の超高圧発生方式の開発を目指した。100ギガパスカル領域までの静的圧縮の実績のあるダイヤモンドアンビルセル(DAC)とパルスレーザー照射のメリットをあわせ持った圧力生成法の開発を進め、その評価を行ってきた。以下にその開発の到達点について記述する。 クランプ型DACにアンビルを取り付け、その間隙にレーザー照射するが、レーザーのエネルギーを受ける燃料試料の爆発的な膨張による衝撃圧力が圧力媒体を介して試料に伝達する。レーザーを直接試料に照射する方法に比べて、試料の温度上昇が抑えられ、また高圧力発生も長時間維持できることを期待した。発生圧力と温度はマンガニン線の抵抗変化と熱電対の起電力によってそれぞれ検出することを目指した。今年度はその場観察に加えて、回収試料による評価もあわせておこなった。 (発生温度の評価)アンビルに比較的安価なサファイヤプレートを用いた。白金ロジウム熱電対をアンビルで挟み、レーザーを照射して温度の時間変化を記録した。その結果、照射エネルギー10J、10ms幅のレーザーによって、最高でおよそ1000Kの温度上昇を観測した。20ms後には元の温度に戻った。熱電対をサファイヤ板で挟んだ場合は、かなり急速に熱緩和することが分かった。 (発生圧力の評価)試料にグラファイトフィルムを用いて、従来報告されているグラファイト-ダイヤモンド相転移が起こるかを回収試料のラマン分光測定によって調べた。上記の発生温度の評価実験と同様なレーザー条件下では、ダイヤモンドの生成は確認できなかった。これにより10万気圧以上の圧力は発生していないことがわかった。サファイヤプレートはレーザーによる熱で融解しており、設定したレーザーの強度がターゲットに到達していたかは明らかでない。ダイヤモンドの窓材を使用する必要性が明らかになった。
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