研究課題/領域番号 |
15654050
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
早川 美徳 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20218556)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 粉体 / 応力鎖 / ネットワーク構造 / 電気伝導 / SPH / 衝突 / 粉粒体 / ネットワーク / ストレスチェーン |
研究概要 |
1.導電性のある粉体中の電気伝導から,粉体ネットワークの三次元的な内部構造と,その変化のダイナミクスを定量的に明らかにすることを目的に、スチール球に表面処理を施した試料を作成し、それらを加圧しながら電気伝導を測定する実験を行った。内部伝導の空間構造を推定するために50チャネルの電極アレイを製作し、抵抗率の多点相関を求めようとしたが、粉体同士の接触が極めて不安定で、現時点では再現性のあるデータを取得するには至っていない。しかしながら、電気伝導が距離に対して非単調に振る舞う様子も確認しており、粉体内部の非一様な応力鎖構造を反映していると思われるので、引き続いて実験系の見直しを行いたい。 2.申請時の計画にはなかったが、散逸粒子系の静力学と動力学が関係するであろう例として、「金平糖」の実験を行った。金平糖の成長過程は古くから各所で取り上げられてきたが、粉体研究の立場からは、回転ドラム中で繰り返し発生する粉体の雪崩現象とパターン形成の関係、そして、本研究の主題である、雪崩よりも下の粒子が相対的に静止している相での粒子の配位と角の本数の関係などに関心が持たれる。そこで、工業的な装置は構造の異なる小型の実験装置を作成し、再現性の良い試料の作成を可能にした。その結果、結晶の形状が粒子サイズに依らず相似的に成長する領域が存在すること、界面の不安定性は粉体(結晶)のパッキングによって影響を受け、12回対称性を反映した20本の角が最終的に選択されること等を見いだし、さらに、表面の濡れによる界面の安定性を考慮した数理モデルを提案した。この成果については現在公表準備中である。 3.2種類以上の粒子が揺らぎを持ちながら異なる方向に流動する系の数理モデルを考察し、安定性解析や相図の作成を行った。これは直接的には交通流を想定したモデルであるが、障害物のある場での粉体の流動性へも適用することが可能である。現在成果の公表を準備中である。
|