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超臨界流体における熱物性定数の時間依存性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 15654052
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 数理物理・物性基礎
研究機関名古屋大学

研究代表者

三浦 裕一  名古屋大学, 理学研究科, 助教授 (30175608)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード動的臨界現象 / 熱輸送 / 超臨界状態 / 熱的性質 / 比熱の時間依存性 / ピストン効果
研究概要

臨界点近傍では流体の熱拡散係数が減少し、熱緩和は遅くなると思われてきた。しかし、全く異なる速い熱輸送現象が発見された。理論的には、流体の熱膨張係数が発散し、過熱面近傍の流体が大きく膨張し、断熱音波として熱が流体中を輸送される、というモデルが提唱されている。この機構を検証する過程で、比熱などが、臨界点近傍の流体では局所的に時間に依存する可能性が出てきた。即ち、流体が膨張する際、等温圧縮率の発散のため、流体の圧力の増加はほとんど無い。そのため、ヒーター近傍の熱拡散層を10μsの時間スケールで見れば、有効比熱は定積比熱ではなく、何桁も大きい定圧比熱に近くなる可能性がある。今回、超臨界状態の^3Heを用い、周期的な加熱(約11kHz)により流体中に温度の定在波を実現した。得られた定在波の周波数は音速から期待される値に一致し、短時間の加熱で音波が発信していることを実証した。さらに、定在波の振幅から、発信された音波(熱波)のエネルギーを見積もることができた。もし、熱拡散層の有効比熱が弱い発散をする定積比熱ならば温度上昇が大きくなり、熱膨張率の強い発散のために音波の発信効率も強く発散する。しかし、効率の実験結果は弱い発散であり、熱拡散層の有効比熱が大きいことを示す。今回の実験結果から、熱拡散層の高速応答の有効比熱として、定圧比熱の約60%の値が得られた。これはマクロな定積比熱より桁違いに大きい値である。また、加熱エネルギーのうち、約20%が音波で輸送されることも分かった。残りは熱拡散層に蓄積される。
これらの結果は物理学会、及び、その一部はカナダで開催された「The International Symposium on Physical Sciences in Space,23May2004」で口頭発表された。解析を進めて、近く論文にまとめる予定である。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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