研究課題/領域番号 |
15654062
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栗田 敬 東京大学, 地震研究所, 教授 (00111451)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 低周波地震 / 非線型振動 / 自励振動系 / 降伏応力 / マグマダイナミックス / ビンガム流体 / マグマレオロジー / 水圧弁 / 固液複合系 / モデル実験 / 圧力変動 / ゲル / 火山活動 / マグマの移動 / 結晶化マグマ |
研究概要 |
本研究は地震学研究者、特に観測分野に従事している地震学者に低周波地震の発生の簡単な物理的描像を提供することを目指して企画された。火山体深部等で発生している低周波地震は非線形的特性を強く有しているために直感的な非線形振動発生モデルを作り、地震学者に提供し、今後の研究プラン(特に観測計画)立案に役立てようと言う意図である。取り上げた非線形振動系は、1)塩水振動子、2)非線形バルブ複合系、3)柔らかな粘弾性体でできた円管中の流れの3点であり、それぞれ簡単な数値シミュレーションと室内モデル実験系の製作・観察を行った。1)は簡単な非線形振動系として非線形物理学分野では有名なモデルである。塩水の密度に応じて自励振動数が変化し、特定の密度で最小となることを明らかにした。オリフィスで繋がった密度差のある2流体系がこのようなモデルとして想定される。2)では非線形弁の結合によって自励振動の発生領域があることが明らかにされた。部分溶融体のような変形しうる媒体が弁の役割を果たすと考えられる。3)は人体などの血管・血液の流動・振動モデルとして提案されたものである。結晶や気泡を含んだマグマは降伏応力を有する粘性流体(ビンガム流体)として挙動するので、そのような流体の流動時に特徴的な振動現象が発生することが明らかにされた。しかしながら当初予定されていたレオロジー面からこの振動現象の発生条件を明らかにすることには至っていない。今後の継続的研究課題として残された。
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