研究課題/領域番号 |
15655022
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤田 嗣郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90011105)
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研究分担者 |
池添 泰弘 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教務職員 (70334315)
片山 建二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (00313007)
藤浪 眞紀 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50311436)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | パルスレーザー / 水 / エタノール / 電子 / 誘導ラマン散乱 / ベンゼン / トルエン / 溶媒和 |
研究概要 |
本研究の目的は極短パルスレーザー等を用いて過渡的に水中に多量の電子を発生し、その光学応答、特に非線形光学効果を分光学的に解析し、その光学効果を分析化学的に応用することである。 まず、ピコ秒のレーザーを用いて、基礎化学的に興味深いだけでなく、工業的にも重要なエタノールの希薄溶液中に多量に電子を発生させて、その時放射される非線形光学効果(誘導ラマン散乱)を観測した。その結果、電子の多量発生による誘導ラマン散乱の著しい増強効果が確認され、この性質を利用して、エタノール分子の周囲の水分子の溶媒和構造について議論した。 次に、電子生成領域の水の構造と増強効果の原因を探るため、純水において電子を多量発生させた際の誘導ラマン散乱の前方及び後方成分を同時に時間分解測定し、電子生成領域の詳細な情報を得ることを試みた。その結果、前方および後方で全く異なるスペクトルが測定され、特に後方散乱領域で電子と水の相互作用に起因すると思われる特徴的なピーク見出した。スペクトルの波数位置とピークの相対強度などから、電子による分極率の変化が増強に重要な役割を果たしていることを見出した。また量子化学計算を用いた理論的研究にも着手した。 最後に、本現象の適用範囲を水溶液中から一般の有機溶媒にも広げるため、ベンゼンとトルエンの混合溶媒にも本現象を適用した。その結果、励起過渡種と溶媒分子との相互作用によるラマン散乱断面積の増強効果を見出し、理論計算によってその効果を検証した。
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