研究課題/領域番号 |
15655038
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 隆史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70214377)
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研究分担者 |
守山 雅也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90334317)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 無機 / 有機複合材料 / バイオミネラリゼーション / 自己組織化 / 炭酸カルシウム / ゲル / パターン形成 / 結晶成長 / 多糖誘導体 |
研究概要 |
生物がつくり出す貝殻や真珠、骨や歯のような無機/高分子複合体は、我々が容易に模倣できない精緻な構造を有し、すぐれた性質・機能を示す。このようなバイオミネラルの形成プロセス、すなわちバイオミネラリゼーションに倣い、無機/高分子複合体を人工的に、かつ自己組織的に作製できれば、高機能・高性能かつ環境低負荷性の複合材料が得られるはずである。我々は、炭酸カルシウムと有機高分子からなる複合材料をバイオミネラリゼーションに倣った自己組織化プロセスにより構築してきた。本研究では、炭酸カルシウムの結晶化にソフトなゲルを形成する合成高分子を用いて炭酸カルシウムの形態制御を行い、自己組織的にパターン構造を作製することに世界で初めて成功した。 ポリアクリル酸などの水溶性高分子添加物の存在下、プルランのコレステロール誘導体をマトリクスに用いて炭酸カルシウムのパターン構造を形成させた前年度の知見から、マトリクスと水との複合構造がパターン構造形成に深くかかわっていると考えた。そこで、本年度は有機高分子マトリクスとして分子量やケン化度で水との相互作用が変化するポリビニルアルコールを用い、パターン化薄膜の形成を試みた。その結果、周期がマイクロメートルオーダーの同心円状の炭酸カルシウム凹凸パターン薄膜の形成に成功した。このパターン薄膜は光の回折現象により、干渉色を呈することも分かった。また、ポリビニルアルコールマトリクスの加熱処理条件やケン化度によって、薄膜のパターン周期が変化したことから、下地であるマトリクスの構造が結晶成長に影響を及ぼすことが分かった。
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