研究課題/領域番号 |
15655050
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
菊池 純一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (90153056)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | リポソーム / 脂質二分子膜 / 有機-無機複合体 / シリカ / 非対称膜 / フッ素イオン / 相間移動触媒 / シリカ粒子 / 非対称性 |
研究概要 |
細胞が生命の最小単位となりうる理由の一つは、細胞膜の非対称性にあることはよく知られている。この非対称性によって、細胞膜を介したベクトル的な物質輸送や情報伝達が達成されている。本研究では、従来型のリポソーム作製法とはまったく異なるアプローチにより、有機-無機ナノハイブリッドの概念を活用した非対称巨大リポソームの作製を目的とした。 1.二分子膜被服シリカ粒子から非対称リポソームの作製 前年度の研究成果として、二分子膜形成能を有する有機-無機複合脂質を用いると、単分散シリカ粒子の表面に脂質二分子膜構造を有効に形成できることを明らかにした。今年度は、シリカ粒子のサイズを種々変化させ、また複数の脂質を用いることで、様々な非対称二分子膜をシリカ粒子の表面に形成できることを明らかにした。また、この二分子膜被服シリカ粒子の無機成分を可溶化することで、非対称リポソームの作製を試みた。具体的には、フッ素イオンにより内殻のシリカ粒子の可溶化条件について検討し、脂質二分子膜層をフッ素イオンと水分子が効率よく拡散させるためには相間移動触媒が有効であることを見いだした。 2.巨大リポソームの作製と非対称性の賦与 二分子膜形成能を有する有機-無機複合脂質を用いて、シリカ粒子を鋳型に用いない細胞サイズのリポソーム作製法を新たに開発した。この有機-無機複合脂質が形成する巨大リポソームは、従来のリポソームに比べて構造安定性に優れ、非対称性も賦与できる可能性を明らかにした。
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