研究課題/領域番号 |
15655065
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 大阪大学 (2005) 九州大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
林 高史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20222226)
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研究分担者 |
久枝 良雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70150498)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ヘムオキシゲナーゼ / 鉄ポルフィセン / 阻害剤 / 酸化酵素 / 生体触媒 / 酸素親和性 / 一酸化炭素親和性 / ヘムプロピオン酸 / 人工ヘム / ポルフィセン鉄錯体 |
研究概要 |
ヘムオキシゲナーゼはヘム分子を代謝分解する酵素として、近年特に注目されている。この酵素はヘムを基質として取り込み、ヘム上で発生する活性種(Fe-OOH)の形成を支援し、ヘムからビリベルディンへの酸化分解を促すことが明らかとなってきた。本研究では、非分解性の人工ヘム分子を合成し、ヘムオキシゲナーゼを単なるヘム分解酵素としてではなく、様々な基質に対する有用な酸化酵素として変換することを目的としている。 本年度は、ヘムオキシゲナーゼの基質としてヘムの構造異性体であるポルフィセン鉄錯体を結合押させ、還元酵素とNADPH存在下で、分解反応を追跡した。予想通り、天然のヘムが分解する条件下で、メソ位を有しない鉄ポルフィセンをほとんど分解しないことが判明した。一方、最初の段階である、Fe(II)への還元は起こり、安定なCO錯体も得られた。将来的には、鉄ポルフィセンはヘムオキシゲナーゼの阻害剤として機能すると考えられる。また、酸素分子が活性化されれば、ヘムオキシゲナーゼ複合体は、新しい酸化触媒としても利用できるものと期待される。一方、大過剰にNADPHを添加した場合には、鉄ポルフィセンにおいても、ある単一な分解物を与えることも明らかになった。この分解物が、ヘムの分解物であるビリルビンと同じような化学種であるかどうか、現在検討を進めている。今回得られた知見は、天然のヘムオキシゲナーゼのメカニズム解明に大きく貢献すると共に、ヘムの異性体である鉄ポルフィセンは阻害剤として、また生体触媒として興味深い化合物であることが明らかとなった。
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