研究課題/領域番号 |
15655079
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
星野 勝義 千葉大学, 工学部, 教授 (50192737)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 導電性ポリマー / 有機-無機ハイブリッド / 電池反応 / 金属腐食 / ポリカルバゾール / ポリ(3-メチルチオフェン) / 画像形成 / 導電回路パターン形成 |
研究概要 |
本研究は、導電性ポリマー材料に金属を蒸着すると、自発的にハイブリッド化反応が生じ、導電性ポリマーと金属酸化物(あるいは水酸化物)の新規ハイブリッド材料が形成されることを主題としている。このハイブリッド化反応は、導電性ポリマーとしてポリピロールを用いた研究に端を発している。15年度は、導電性ポリマーとしてポリカルバゾール(PCZ)およびポリ(3-メチルチオフェン)(P3MeT)を用いた検討を行った。そしてこれらのポリマーを用いた場合でもハイブリッド化が進行することが確認され、本ハイブリッド化反応が一部の導電性ポリマーに固有でないことを明らかにした。そして16年度は、PCZとアルミニウムの組み合わせにおいて、緑色に強く呈色したPCZ膜と金属アルミニウムがハイブリッド化反応を起こすと、PCZの緑色とアルミニウムの金属色が同時に消えることが見出された。そして、その形態学的検討を行ったところ、得られたハイブリッド膜は、脱ドープされたPCZ層の中に、アルミニウム化合物のナノ領域が均一に分散されている新素材であることが見出された。本年度は、この興味深い新素材のさらなる検討を行った。その結果、PCZとアルミニウムを最適化学量論比で反応させると、無色・半透明のハイブリッド膜が得られることが判明した。そこで次に得られたこの半透明膜の電気伝導度測定を行ったところ、電気伝導度は半導体領域(ほぼ10^<-4>Scm^<-1>)にあり、絶縁体ではないことがわかった。上記の無色・半透明性と低くはない電気伝導度を考慮すると、この新素材は有機系の透明電極として利用できる可能性があり、今後さらなる検討の余地がある物質である。なお、上記のPCZを用いたハイブリッドフィルムについては既に英文論文の投稿を行っている。また、P3MeTを用いたハイブリッドフィルムについても、形態学的に極めて興味深い結果が得られており、英文論文を執筆中である。
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