研究課題/領域番号 |
15656075
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
星野 勉 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10209231)
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研究分担者 |
中村 武恒 京都大学, 工学研究科, 助手 (30303861)
牟田 一彌 京都大学, 工学研究科, 名誉教授 (70039270)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 高温超伝導体 / バルク体 / 熱伝導率 / エポキシ樹脂 / カーボンナノチューブ / 捕捉磁束 / 不可逆磁界 / 重量割合 / スーバーバルク磁石 / 電磁力 / 機械的強度 |
研究概要 |
我々は、近年特性向上が著しいバルク高温超伝導体(High Temperature Superconductor : HTS)に着目し、その高性能化に関する研究を行った。バルクHTS表面には、機械的補強効果や劣化防止等を目的としてしばしばエポキシ系樹脂含浸が施される。しかしながら、エポキシ樹脂は熱伝導率が低いため、バルクHTS内部で発熱が生じた場合、捕捉した磁束が低下することが懸念されている。従って、本研究ではカーボンナノチューブを微量添加して、エポキシ樹脂の極低温環境下における熱伝導特性改善を実験的に検討した。以下に、得られた成果の要約を示す。 (1)バルクHTSの樹脂含浸効果を検証するためには、まずバルクHTS自身の正確な特性評価技術の確立が不可欠である。我々は、臨界電流密度がゼロとなる不可逆磁界に着目し、ガドリニウム(Gd)系バルクHTSに関してその値を精密に測定するとともに、捕捉磁束特性との関係を評価した。その結果、不可逆磁界近傍においてバルクHTSの捕捉磁束が急激に減衰することを実験的に初めて明らかにした。即ち、バルクHTSを擬似永久磁石として使用する際には、上記不可逆磁界を使用限界として考慮することの重要性を示した。 (2)エポキシ樹脂に微量(1.15wt%)のカーボンナノファイバーを添加した後、エアー抜きおよび室温硬化によって試料を作製するとともに、その熱伝導率を定常熱流法によって測定した。その結果、バルクHTSが使用される極低温環境下(75-100K)の熱伝導率が約1.1倍向上することを確認した。今後、カーボンナノファイバーの添加割合およびその分散法を最適化することによって、更なる特性向上が見込まれる。なお、上記したカーボンナノファイバー添加エポキシ樹脂をバルクHTSに含浸した試料は試作完了している。
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