研究課題
萌芽研究
化石エネルギーの中で、石炭が将来にわたり発展途上国の安定した一次エネルギー源である.発展途上国のエネルギー消費量の増加は急激で、これらの国々が石炭から石油にエネルギー源を転換するのは石油の資源量の観点からも、経済的な観点からも、不可能である。その解決法は、発展途上国で多く消費されてある低品位石炭の高品位化と、燃焼効率改善による使用量の削減が、最も有効な方法である。本研究ではこの問題を解決するため、石炭とバイオマスを混ぜて複合固体燃料化と、石炭の固定観念(汚い、黒い)の変化を念頭に新しい概念のホワイトコールブリケットを開発し、その特性を調べた。石炭をブリケット化(豆炭又は練炭)するとき、表面を消石灰石又は石灰石をもちいて被服することでホワイトコールを実現した。被服材料としてCa系を選んだ理由としては硫機能を与えるためであった。ホワイトコールは石炭粉塵もなくなり、手で触っても手の汚れが殆ど見られなかった。また、その特性としては燃やすだけで脱硫率が90%、脱硝率も40%も得られた。ホワイトコールの高脱硫性が得られるメカニズムは石炭の燃焼特性に起因した。石炭はまず揮発分が短い時間で(約5分)揮発し燃焼する。その後徐々に固定炭素分が燃焼する。硫黄分も同様な挙動をしおり、今まで脱硫不可能であった揮発分に含まれた硫黄分がホワイトコール表面で消石灰と反応し石膏として固定された。以上のことから、石灰石を被服する時に必要なコストを脱硫・脱硝費用と考えれば、経済的、環境的にも受け入れると確信した。予算上大量生産の可能性な実験機までは進んでないが、本実験結果は深刻化しつつある発展途上国におけるエネルギー問題及び酸性雨問題を解決する一つ対策となる技術であると確信する。
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ES&T (printing)
Asia Pacific Confederation of Chemical Engineering, Kitakyushu, Japan Oct.17-21, 2004
Energy & Fuels Vol.17, No.5
ページ: 1239-1243
Twentieth Annual International Pittsburgh Coal Conference, Pittsburgh USA 2003.9