研究概要 |
強い活性を有するAny-ParP置換体のスクリーニングを行った。現段階で最も強い活性を有するAny-ParP置換体を作出した。Ala scanning法を用いて、23アミノ酸残基からなるAny-ParPには,E1,N2,F3,C7,19とM12残基が生理活性維持に必要な部位であることを決定した。天然型12番残基のMetをそれぞれLys,ValとGlnに置換し、M12K,M12VとM12QのAny-ParP置換体を合成した。これらの合成ペプチドについて、カイコ休眠卵誘導活性生物検定系統を用いて生物検定した結果、M12K置換体は天然型Any-ParPより約1.2倍高い休眠卵誘導率を示した。 Any-ParPとカイコ休眠ホルモン(DH)の関係を明らかにするため、昆虫休眠卵誘導機構を解明するステップの一環として、Any-ParPとその置換体によるカイコ蛹の休眠ホルモン(DH)濃度変化を調べた。人工飼育上の問題で、蛹の確保ができなく、現在研究進行中です。 潅流条件下で、Any-ParPとその置換体のmyotropic活性の種間における差を比較検討した。Bombyx mori5齢幼虫と蛹を用いて、AnyParPとその置換体のHeartbeat効果をテストし、さらにSpodoptera littoralisおよびGalleria mellonellaと比較検討した。その結果、鱗翅目に属しているこの3種の内でも、AnyParPに対する感受性が大きく異なり、カイコとSpodoptera littoralisがAnyParPに対する高い感受性を持っていることに対し、Galleria mellonellaにおいては、前者より約1000倍も高い濃度が必要であることが明らかになった。
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