研究課題/領域番号 |
15658041
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 誠 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30114507)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | タウリン / トランスポーター / タウリン合成酵素 / cysteine dioxygenase / 3T3-L1 / 脂肪細胞 / アディポサイトカイン |
研究概要 |
タウリンはβ-アミノ酸の一種であり生体内で様々な生理機能を有することが知られている。タウリンは、タウリントランスポーター(TAUT)による外部からの取込とMetやCysからの生合成の二通りによって生体内へ供給される。昨年度は、脂肪細胞のモデルとしてマウス由来前駆脂肪細胞株3T3-L1を用い、3T3-L1細胞におけるTAUTの特性、またTAUT及びタウリン生合成の律速酵素であるシステインジオキシゲナーゼ(CDO)の制御について解析を進めた。そこで本年度は、脂肪細胞分化過程におけるTAUTとCDOの制御についてまず検討した。3T3-L1の脂肪細胞分化過程におけるTAUT活性及びTAUTとCDOのmRNA量を測定したところ、TAUT活性とTAUTmRNA量は分化誘導時において一過的に増加し、その後徐々に減少していくことが示された。一方、CDOmRNA量は分化が進むにつれて増加し、特に分化誘導直後に顕著な増加がみられた。そこで次に、タウリンが脂肪細胞分化に及ぼす影響について検討することとし、分化の指標となる細胞内トリグリセリド量とGPDH活性に対するタウリンの影響を検討した。しかしながらタウリンはいずれの活性に対しても影響を与えず、脂肪細胞分化に対して影響を与えないことが示された。一方、分化した脂肪細胞が分泌するアディポサイトカイン類の発現に対するタウリンの効果を検討した結果、TNF-αによるアディポネクチンの発現抑制がタウリンの添加により改善されることが見出された。さらにタウリンはTNF-αによるPAI-1mRNA発現量の亢進を有意に抑制した。以上の結果より、タウリンは脂肪細胞においてインスリン抵抗性のサイトカイン(PAI-1)を抑制しインスリン感受性のサイトカイン(アディポネクチン)を増加させることで、インスリン抵抗性さらには生活習慣病を改善する可能性が示された。
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