研究概要 |
市販されている種々のピーク波長の発光ダイオード(LED)を用い,地表面における太陽光の波長組成に近い光(可視光から近赤外光の一部まで)を照射可能で,かつ種々の波長域範囲の照射光強度を独立して動的制御できる光源システム,すなわち波長組成可変制御型の擬似太陽光光源システムのプロトタイプの試作・開発を試みた。32種のLEDを選定して作成した光源アセンブリとそれ用に構築した直流電源システムを接続して,390nmから1100nmの波長範囲で太陽光と近い波長組成を照射可能なプロトタイプを完成した。そのために,まず各ピーク波長のLEDごとに供給電流に対する放射束および波長組成を測定し,供給電流によって各ピーク波長光の放射束を制御するためのデータを取得した。そして,それぞれのLEDの放射束測定値を基に,一枚の基盤に設置すべき各ピーク波長のLED個数の整数比を決定した。最後に,その整数比で各LEDをユニバーサル基盤上に設置し,光源アセンブリとした。完成したプロトタイプと直流電源システム用に用意した電流・電圧出力制御ソフトウエアの使用により,太陽光の波長組成をベースとして,波長組成を大きな自由度で定値制御可能となった。しかしながら,直流電源システムの構築に予想以上の時間を要したため,当初の目標であった波長組成を完全に動的制御するためのソフトウエアの開発および栽培実験を研究期間内に完了することができなかった。
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