研究課題/領域番号 |
15658087
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
村上 昇 宮崎大学, 農学部, 教授 (80150192)
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研究分担者 |
那須 哲夫 宮崎大学, 農学部, 助教授 (40108725)
中原 桂子 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90315359)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | グレリン / ニューロメジンU / 摂食機構 / 生体リズム / 摂食 / ウズラ / GHSR / 胎児成長 |
研究概要 |
ニューロメジンUのノックアウトマウスは肥満を呈することを先に報告したが、今回よく観察すると、触れることに対して鈍い反応を示し、また動きも幾分鈍いように感じられた。そこで、反射機能を調べるため、52度と58度のホットプレートテストを行うと、ノックアウトマウスでは熱反射機能が低下していることが判明した。次にホルマリンテストによる痛み反射を調べると、第2相(10分後からの反応)の慢性的痛みに対する反応が低下していることが判明した。逆に、ワイルドマウスで、ニューロメジンUを脳室内に投与すると、熱反射も痛み反射も通常より亢進することが示された。最近ニューロメジンUが脊髄の電気活動の伝播を早めることが報告されており、このことと今回の結果は関係しているように思われた。そこで、ニューロメジンU投与後の神経活性化の指標としてFos蛋白質の発現部位を調べてみると、弧束核や脊髄後核(ラミナエII)などに発現が認められた。また、ホルマリンによる痛みを与えた後、脊髄のニューロメジンUmRNAの増加が認められた。以上の結果は、ニューロメジンUが熱や痛みの反射機能に関わっていること、そめ部位は恐らく脊髄の可能性を強く示唆している。 反射機能が低下していることから、環境への適応機能も低下している可能性が推測される。そこで、室温を23度から37度に変化させた時の心拍数や血圧の変化を調べたところ、ニューロメジンUのノックアウトマウスでは血圧変化が鈍いことが判明した。またエーテルストレスへの副腎皮質ホルモンの上昇や、新たな明暗条件へのリズムの再同調速度などもノックアウトマウスでは劣っていることが判明した。以上の結果、ニューロメジンUは反射や環境への適応の調節に重要なホルモンであると推測された。
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