研究課題/領域番号 |
15658091
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
牧野 壮一 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (30181621)
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研究分担者 |
川本 恵子 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (20360977)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 食品媒介性有害微生物 / 食中毒 / VNC / 細菌性サイトカイン / 蘇生 |
研究概要 |
病原菌による食中毒が発生すると、原因菌を患者から分離すると共に、原因食品を特定するために一般的な細菌学検査が行われる。しかしながら、実際は8割が原因食品の特定に至っていない。このような低検出率の原因の一つとして、食品中の病原菌がVNC状態(viable but non-culturable)、すなわち"生きてはいるが培養不可能な状態"に移行するため、通常の細菌学検査では見逃されている可能性があると我々は危惧している。近年、種々の細菌が様々な自然環境下や食品中においてVNC状態に移行することが報告され、我々は腸管出血性大腸菌O157やサルモネラなどの食品媒介性病原菌が、高濃度の食塩や低温などのストレス環境下で容易にVNC状態に変化することを観察している。VNC状態の細菌は、動物や人の体内に入るとVNC状態から回復(蘇生)し、病原性を発揮するため、このような細菌のコントロールは公衆衛生上重要である。我々はサルモネラ菌を用いて、VNC状態からの回復を促すような蘇生因子(細菌性サイトカイン)が存在する可能性を指摘し、昨年度の研究において、この因子をコードする遺伝子rpfを同定することに成功した。本年度は同定した遺伝子の塩基配列をもとに、組み換え型のRpfタンパク(rRpf)を作製し、蘇生効果について検討した。その結果、rRpfは通常培地のみでは培養できなかったVNC状態のサルモネラを蘇生させ、検出可能な状態に回復することを見出した。また、抗Rpf抗体を蘇生過程のサルモネラ培地に添加するとその蘇生は完全に抑制された。さらに、VNCおよび蘇生過程で特異的に発現するタンパクを数種同定した。以上の成果は、rRpfを利用したVNC病原菌の検出法の開発や、VNC菌汚染の予防に繋がると思われる。
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