研究課題
萌芽研究
生活習慣病の克服には、脂肪細胞肥大化の研究と並び、脂肪細胞分化機構の解明も重要な課題である。脂肪細胞分化に関する研究は、マウス株化培養細胞である3T3-L1細胞を用いて種々の検討が行われている。しかし、初代前駆脂肪細胞を用いた検討はほとんど行われていない。そこで本研究では、初代前駆脂肪細胞を用いて脂肪細胞分化過程の検討を行った。性ホルモンが内臓脂肪及び皮下脂肪由来の前駆脂肪細胞の脂肪細胞分化へ及ぼす影響を解析した結果、17β-estradiol、testosteroneはいずれも、内臓脂肪組織及び皮下脂肪組織由来の前駆脂肪細胞の脂肪細胞分化へ及ぼす影響がほとんどないことが明らかとなった。次に、アディポネクチンとレプチンの分泌について検討した結果、アディポネクチンについては内臓脂肪において、レプチンは皮下脂肪由来の脂肪細胞において分泌量が有意に多いことが明らかとなった。さらに、両細胞の性質の違いがより顕著に現れていると考えられた分化誘導14日目の培養上清を二次元電気泳動法により分離し、ペプチドマスフィンガープリンティング法により分泌蛋白質の質的な違いについて検討した。その結果、皮下脂肪特異的なスポットが複数存在することが明らかとなった。また、これらのスポットについてIn Gel Digestionを行った後、ペプチドマスフィンガープリンティング法により解析した結果、そのうちの一つがprocollagen type I α2であることが明らかとなった。
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