研究課題/領域番号 |
15659046
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
川真田 聖一 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (30127641)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ホルムアルデヒド / 解剖実習 / 遺体 / 炭酸アンモニウム / イソプロピルメチルフェノール / ソルビン酸カリウム / 抗菌剤 / ヘキサメチレンテトラミン / 分光光度計 / シックハウス症候群 / ホルマリン |
研究概要 |
解剖実習中の空気中ホルムアルデヒドの濃度は高く、対策の確立が急務となっている。本研究は、遺体の防腐処置の最初にはホルムアルデヒドを使用するが、保管中に無毒化して、解剖実習時の遺体のホルムアルデヒドはゼロにすることを目的として行った。結論として、ゼロにはできなかったが、ホルムアルデヒドを著減させる方法を開発した。 遺体組織のホルムアルデヒド濃度を測定する方法として、組織片を遠心分離して組織液を絞り出し、3-methyl-2-benzothiazolinone hydrazone hydrochlorideと反応させて青色の反応産物を分光光度計で濃度測定する方法を確立した。ホルムアルデヒドを無害にする物質としては、炭酸アンモニウムがホルムアルデヒドと反応して、無害なヘキサメチレンテトラミンに変えることが分かった。鶴見大学で、いわゆる10%ホルマリン5リットルを血管注入して保存した遺体に、飽和炭酸アンモニウム水溶液を2リットル再注入すると、遺体組織中のホルムアルデヒド濃度が激減し、遺体直上の空気中ホルムアルデヒド濃度も顕著に低下した。したがって、解剖実習に使用する全遺体に飽和炭酸アンモニウムを再注入することにより、ホルムアルデヒドの発生源である遺体ならびに実習室の空気中ホルムアルデヒド濃度を著しく低下させることが可能と思われる。 一方、ホルムアルデヒド除去によって防腐効果が低下し、雑菌やカビが繁殖しやくなると予測される。大腸菌、ブドウ球菌、緑膿菌および遺体から採取したカビを対象として、これらの繁殖を抑制する物質を検討した。ソルビン酸カリウムやイソプロピルメチルフェノール(商品名ビオゾール)などが有効であったが、ソルビン酸カリウムは細菌には効果がやや少なく、イソプロピルメチルフェノールは溶解性が低いなどの問題があり、更に検討が必要と考えられる。
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