研究課題/領域番号 |
15659060
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
齋藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
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研究分担者 |
白井 康仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助教授 (60263399)
柏木 香保里 神戸大学, バイオシグナル研究センター, COE研究員 (10372666)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | プロテインキナーゼC / トランスロケーション / GFP / イメージング / 発癌 / サブタイプ |
研究概要 |
PKCの多彩な機能は、10種類以上のサブタイプが、種々の細胞害外刺激に応じて、細胞内の目的とする部位に移動し、特定の基質をリン酸化するという機能(ターゲティング機能)を有するためであると考えられてきている。 本年度の研究では、種々の合成ホルボールエステルによるPKC各サブタイプのターゲティングをスクリーニングすることにより、特定のPKC機能の阻害剤(活性化剤)を見出すことを目的とした。また、種々の病態における各PKCサブタイプの役割についても検討した。その結果、(1)特定のPKCサブタイプを特異的に活性化する合成ホルボールエステルを同定した。このホルボールエステルはin vitroでは特異性を示さないものの、in vivoではbetaPKCを特異的に活性化する働きを有した。(2)脳虚血による脳神経細胞死に対して予防作用を持つエストロゲンは、PKC特にgammaPKCを介して、その効果を発揮することを示した。また、その神経保護作用は従来の核型エストロゲン受容体ではなく、細胞膜に存在する新しいエストリロゲン受容体を介することが明らかとなった。(3)VEGF受容体を介したERKの活性化機構にはdeltaPKCの活性化が必須であることを示した。(4)ミクログリア細胞によるドン食作用には2種のPKC、epsilonおよびbetaが関与しているが、それぞれ、異なる機構に関与することを示した。つまり、活性酸素産生に関与するbetaPKCと、ドン食運動に関与するepsilonである。 以上の結果から、細胞種、細胞機能により機能するPKCが異なっており、各生理作用に関与するPKCサブタイプを決定し、さらにサブタイプ特異的なPKC作用薬の開発を行うことにより、副作用の少ない薬物の開発が可能となることを示した。
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