研究課題/領域番号 |
15659075
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮崎 純一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10200156)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ベータ細胞 / 糖尿病 / 核内レセプター / インスリン / 転写制御 |
研究概要 |
種々の核内レセプターと結合するRXRのC端を欠失させることにより、ヘテロ2量体形成能およびDNA結合能は保たれるが、転写を強く抑制するドミナントネガティブRXRが作られる。RXRの2量体を形成することで機能する核内レセプターについては、この変異RXRを過剰発現させることにより、その機能を不活化することができると考えられる。そこで本研究ではRXRのドミナントネガティブ変異体RXRβdc2をベータ細胞特異的に発現するトランスジェニックマウスを作製し、糖代謝における影響を検討した。まず、インスリンプロモーターにテトラサイクリントランスアクチベーターrtTA遺伝子を結合し、この遺伝子をマウスの受精卵に導入し、Ins-rtTA Tgマウスを作製した。得られたマウスの系統についてトランスジーンの発現を解析し、膵島における発現が高く、他の組織では発現しない系統を選択した。次に、RXRβdc2 cDNAをrtTAにより制御を受けるプロモーターの下流に結合した遺伝子を作製・導入したCMV*1-RXRβdc2 Tgマウスを作製した。得られたマウスの系統において、トランスジーンがテトラサイクリンにより誘導的に発現するかどうかを調べるために、rtTAを発現するアデノウイルスベクターを尾静脈から肝臓に導入し、テトラサイクリンによる発現誘導の強い系統を選択した。選択した2種類のTgマウスを交配し、Ins-rtTAとCMV*1-RXRβdc2の両方の遺伝子を持つダブルTgマウスを得た後、テトラサイクリン負荷前後のRT-PCR解析により、RXRβdc2の発現誘導を確認した。次にこのダブルTgマウスについて糖負荷試験(IPTGG)を行い、変異RXRを過剰発現させたマウスでは、グルコース応答性インスリン分泌反応が上昇することが示唆された。さらに、GLUT2、glucokinase、UCP-2の転写が促進していた。以上、膵ベータ細胞においてRXRは、分泌に関与する因子の転写に関与し、グルコース応答性インスリン分泌に抑制的に作用する可能性が示された。
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