研究課題/領域番号 |
15659081
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森 正敬 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40009650)
|
研究分担者 |
後藤 知己 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (20264286)
|
研究期間 (年度) |
2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | CHOP / アポトーシス / 脾腫 / β細胞 / 糖尿病 / ストレプトゾトシン / 免疫システム / B細胞 |
研究概要 |
われわれは1型糖尿病の膵β細胞破壊因子の一つである一酸化窒素(NO)が小胞体Ca^<2+>を枯渇させて小胞体ストレスをおこし、CHOPの誘導を介して膵β細胞のアポトーシスをおこすことを発見した。またインスリン変異を伴うAkita糖尿病マウスの原因が、小胞体ストレスを介するβ細胞のアポトーシスにあり、Chopを破壊することにより糖尿病が著しく改善されることを明らかにした。これらの研究の延長として、糖尿病誘発剤ストレプトゾトシン(STZ)による糖尿病モデルにおいてChop破壊の影響を調べたところ、Chop破壊マウスにおいて正常の約20倍の巨大脾腫が生じ、CHOPが免疫システムに重要なはたらきをしていることを見付けた。この系を用いて免疫システムにおける小胞体ストレスおよびCHOPの役割を解析した。β細胞由来MIN6細胞をSTZで処理するとアポトーシスがおこった。この時DNA障害は見られず、CHOPやBiPが誘導されることより、小胞体ストレスがおこっていることが示された。Chop欠損マウスおよび野生型マウスにSTZを投与しインスリン染色を行ったところ、野生型マウスではβ細胞の減少とアポトーシスが観察されたが、Chop欠損マウスではこれらの変化が著しく抑制された。脾腫における脾臓の変化をHE染色によって組織学的に検討すると共に、B細胞およびT細胞に特異的な抗体で免疫染色を行ったところ、主としてB細胞が著増していた。以上の結果、Chop欠損マウスではβ細胞のアポトーシスが抑制され、その結果、アポトーシスを免れたβ細胞から由来する抗原が強い抗原提示能を示し、B細胞が増殖すると共に、そのアポトーシスの抑制もあいまって、巨大脾臓を発生するのではないかと考えられる。
|