研究課題/領域番号 |
15659089
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
肥田 直子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70360112)
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研究分担者 |
梅澤 明弘 国立成育医療センター研究所, 生殖医療研究部, 部長 (70213486)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 骨髄間葉系幹細胞 / 分化誘導 / 神経 / 骨・軟骨 / 生体吸収性ポリマー / 細胞ラベリング / 心筋 |
研究概要 |
1)組織細胞からの分化誘導および移植基盤技術の開発 ヒト骨髄間質細胞から神経様細胞への分化誘導。 従来までの方法である脱メチル化剤を用いず細胞外マトリックス及び成長因子を含む分化誘導培地のみを用いて骨髄間質細胞から神経様細胞への分化誘導法を確立した。この方法により90%以上の細胞の分化誘導が可能であることを確認した。分化誘導後gene chipによる網羅的な遺伝子発現解析を行った。この結果に基づき神経細胞への分化をRT-PCRを用い遺伝子の発現、免疫組織化学染色にて蛋白の発現についても検討している。さらに神経としてのカルシウムイメージング法を用い細胞の興奮能を確認している。現在ナノサイズ超常磁性体酸化鉄によるラベリング後分化誘導した細胞を脳内に移植し画像解析、鉄染色による組織学的解析からその有用性について解析を行っている。今後脳梗塞モデルに対する移植、その後の細胞動態について画像上追跡解析を行える様プロトコールを作成し、脳神経移植に基づく再生医療の評価法の確立を進めている。 2)移植細胞の生体内局在の検出 ナノサイズの超常磁性体酸化鉄(SPIO)を細胞に取り込ませる条件の最適化をはかり、ラベリング細胞の動物モデルへの移植、MRIによるトレーシングを行った。細胞は臨床の場ににおいて様々な組織再生の細胞源として用いられるヒト骨髄間質細胞、SPIOにはMRI造影剤として用いられるResovistを用いた。細胞への導入は、培養液に希釈したResovistに24時間暴露するのみで90%以上の導入効率を得ることができた。カチオニックポリマーであるポリ-L-リジンを添加することで導入量を上げることができたが、少量のSPIOでもMRIにて検出可能であることより、目的に応じて使用の是非を検討すべきと考えられた。免疫不全マウス大腿筋層内へ一定量の細胞を注入し、MRIと組織像の対比を継時的に行った。その結果、移植後2ヶ月の長期に渡りMRIで検出可能であることを確認した。また、この細胞を平成16年度の研究で作製した生体吸収性ポリマーの足場材料へ播種して移植しても同様に検出できることがわかり、臨床応用への有効性が期待される。組織像との対比において、移植後1週以降はマクロファージの遊走、貪食が始まるために、正確な移植細胞の検出は移植早期に限られるものの、生体外から移植細胞の有無、局在を追跡するシステムは構築可能であることが明らかとなった。本研究成果は第32回日本磁気共鳴医学会、第4回日本再生医療学会総会にて発表し、論文投稿準備中である。
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