研究課題/領域番号 |
15659108
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉山 裕規 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10253147)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | EBウイルス / ウイルス感染 / レセプター / 上皮細胞 / CD21 |
研究概要 |
EBウイルス(EBV)は唾液を介してBリンパ球に感染し、潜伏感染する。潜伏感染したEBVは、宿主の免疫応答によるBリンパ球の活性化に伴い、再活性化する。Bリンパ球から放出されたEBVは上皮細胞に感染し、上皮細胞での増殖を経て、唾液中に放出される。 Bリンパ球へのEBV感染はBリンパ球特異的に発現するCD21をレセプターとしてEBVのgp350をリガンドとして成立する。上皮細胞へのEBVの感染機構については、殆ど何もわかっていなかった。しかし、申請者らは薬剤マーカーを組み込んだEBVを用いて、CD21陰性のAGS胃上皮細胞にEBVを感染させることに成功した。次に、CD21陰性であるAGS胃上皮細胞のcDNAライブラリーをイヌのMDCK細胞に導入発現させた後に、ネオマイシン耐性遺伝子とGFP遺伝子を組み込んだEBVを感染させ、PCR法を用いて、ネオマイシン耐性MDCK細胞クローン中のcDNAを増幅し、遺伝子を同定した。 本研究では、同定された新規EBVレセプター遺伝子の性状解析等を行った。新しいレセプター遺伝子を100%発現するMDCK細胞を作製し、GFP遺伝子を組み込んだEBVを感染させて、GFP陽性細胞数を測定し、EBV感染効率を調べる実験により、新しいレセプターはCD21に較べてEBVに対する親和性が100分の1以下であることが明らかとなった。また、新規レセプターとIgGのFc部分との融合蛋白質による中和実験を行い、感染がブロックされることが確認された。現在、レセプターに対するEBVリガンドも決定する。gp85、gp25等のエンベロープ遺伝子のノックアウトEBVを作製し、AGS細胞への感染性を確認することにより、EBVリガンド分子の決定を行なっている。
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