研究課題/領域番号 |
15659113
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石井 直人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60291267)
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研究分担者 |
浅尾 裕信 山形大学, 医学部, 教授 (80250744)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | T細胞 / 免疫寛容 / OX40リガンド / 制御性T細胞 |
研究概要 |
自己免疫疾患やアレルギーは免疫寛容機構によって防御されているが、免疫寛容が破綻すると、それら疾患が発症すると考えられている。しかし、免疫寛容維持と破綻の分子機構の詳細は明らかではない。我々は最近、T細胞副刺激分子であるOX40が免疫寛容破綻に直接的に関与する可能性を示した。そこで、OX40シグナルによるT細胞免疫寛容破綻機構の解明を目的として、本研究を実施した。CD25陽性CD4陽性制御性(Treg)T細胞はT細胞活性化を抑制することにより、生体の免疫寛容を維持する。Treg細胞が恒常的にOX40を発現することから、Treg細胞機能とOX40シグナルに何らかの関連性があると考え、OX40L発現抗原提示細胞(APC)存在下でのTreg細胞機能を検討した。その結果、野生型マウス由来APC存在下ではT細胞活性化抑制効果を発揮したTreg細胞が、OX40L-Tgマウス由来APC存在下では全く抑制効果が発揮できないことを見いだした。さらに、CD25陰性CD4陽性T細胞とTreg細胞をRAG2欠損マウスに移植し、生体内でのTreg細胞機能を検討した。RAG2欠損マウスにCD25陰性CD4陽性T細胞のみを移入すると炎症性腸疾患を発症するが、Treg細胞を共移入すると、Treg細胞の免疫寛容維持機能により疾患発症が完全に抑制される。ところが、OX40L-Tg/RAG2欠損マウス内ではTreg細胞を共移入しても、全く腸疾患発症は抑制できないことが分かった。すなわちin vivoにおいても過剰なOX40-OX40L結合がTreg細胞機能を破綻させた。以上の結果より、OX40刺激による免疫寛容破綻のひとつの機序として、Treg細胞依存性免疫寛容解除が関与していることが分かった。さらにOX40L過剰刺激はがん免疫を増強することが示された。
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