研究課題/領域番号 |
15659117
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
垣生 園子 東海大学, 医学部, 教授 (30051618)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | Notch / Notchリガンド / 胸腺上皮細胞 / 胸腺niche / T細胞分化誘導 / delta-like 4 |
研究概要 |
造血幹細胞からT細胞への分化は、Notch1欠損マウス或いは胸腺欠損マウスで阻止される。この事象は、(1)幹細胞からのT細胞分化にはNotchシグナルが必要であり、(2)胸腺環境(niche)によるT細胞分化誘導能の特異性はNotchシグナルを誘導するリガンド(NotchL)にあると推測させる。そこで本研究では、胸腺nicheを形成する胸腺上皮細胞(TEC)が保持するT細胞分化誘導能はNotchLに依存していることを、NotchLの発現と分化誘導機能の面から解析した。その結果、(1)ほ乳類に存在する5種類のNotchLはすべてTEC上に発現するが、そのうちdelta-like4(Dll-4)が、骨髄ストローマ細胞や腸管上皮細胞に比し特異的に高く発現していた。また、(2)Dll-4の発現がT細胞誘導能をもつことを、骨髄ストローマ細胞に当該遺伝子導入の実験により証明した。(3)TECは平面単層培養することによりDll-4発現が低下し、同時にT細胞分化誘導能を喪失した。しかし、(4)T細胞分化誘導能の喪失前後のTECにおけるDll-4を含むNotchLでは、Fringeの発現に顕著な発現変化は認められなかった。(5)他のNotchLであるDll-1やJagged-1は、Notchとの結合能をもちNotchシグナルを誘導するが、T細胞誘導能が欠如することを、遺伝子欠損マウスを作製することにより明らかにした。 この1年間で得た以上の結果は、平成15年12月開催の日本免疫学会で発表し、長年胸腺研究者が追求していた胸腺特異的分化誘導能に関わる特異的分子を初めて明らかにしたと評価された。
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