研究課題/領域番号 |
15659184
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
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研究分担者 |
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
李 鐘国 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (60303608)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 心不全 / 甲状腺ホルモン受容体 / 遺伝子治療 / アデノウイルス |
研究概要 |
アミオダロンは抗不整脈作用に加え、心不全患者の血行動態を改善する作用もあることが示されている。本研究課題においては、アミオダロンの薬理作用を明らかにするとともに、そのメカニズムを応用した新しい治療法の可能性について探究した。ラットにアミオダロンを長期投与(1ヵ月)し、ノザンブロット解析(ミオシン重鎖-αおよびβ)およびDNAマイクロアレイ解析法を用いて、心筋における甲状腺ホルモン応答遺伝子の発現パターンを調べたところ、甲状腺機能低下症ラットと同様のパターンを示した。また、甲状腺ホルモン受容体(TR)変異体(TRVP16:constitutively active TR)を、アデノウイルスを用いてラット培養心室筋細胞に過剰発現させ、アミオダロンおよびその活性代謝産物(DEA)のT3拮抗作用が、TRを介するT3の転写調節(すなわちT_3のgenomic action)によるものかどうかを調べた。TRVP16過剰発現細胞群では、T3-free状態で培養しても、活動電位幅の著明な短縮が見られたが、このTRVP16の活動電位短縮作用はDEAにより抑制されなかった。以上の結果より、アミオダロン長期投与による活動電位持続時間延長作用は、心筋に対するT_3の遺伝子転写調節を介する作用(genomic action)を抑制することによりもたらされると考えられた。(2004年3月、日本循環器学会学術集会で発表)。このことは、心筋選択的に甲状腺機能低下状態をもたらすことができれば、アミオダロンと類似の効果を得る可能性を示している。これらの知見をもとに、ドミナントネガティブ甲状腺ホルモン受容体(TRG345R)を、アデノウイルスを用いて心筋選択的に過剰発現させ、心筋の甲状腺ホルモン作用を抑制したラットのin vivo実験モデルを作成し、その心臓機能を調べる実験が現在進行中である。
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