研究課題/領域番号 |
15659194
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 利明 東北大学, 病院, 助手 (10280926)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 遺伝子 / トランスレーショナルリサーチ / バイオテクノロジー / 免疫学 / トランスレーショナル リサーチ |
研究概要 |
樹状細胞は、T細胞を通じて抗原特異的な免疫反応を引き起こしている抗原提示細胞であるが、樹状細胞を免疫療法に応用するためには、樹状細胞が十分な免疫誘導を果たせるようになんらかの工夫を加える必要がある。そこで本研究では、フラクタルカイン(CX3CL1)のような、T細胞を呼び寄せるケモカインを樹状細胞内で強発現させると、樹状細胞はT細胞をより効果的に呼び寄せるようになり、樹状細胞の抗原提示能力が増強されるという仮説を立て、その治療免疫への応用を検討した。 平成15年度は、樹状細胞にフラクタルカインを強発現させるためのアデノウイルスベクターAdFKNの作製を行い、作製したAdFKNが、樹状細胞内でフラクタルカインを強発現することを確認した。 平成16年度は、このフラクタルカイン強発現樹状細胞の免疫応答効果を、マウス腫瘍モデルとマウス肺炎モデルにおいて検証した。フラクタルカイン強発現樹状細胞を、Colon-26大腸がん細胞のマウス皮下腫瘍内に直接投与したところ、コントロール群に比し、有意な腫瘍増殖の抑制が認められた(p<0.05)。さらに、腫瘍内にフラクタルカイン強発現樹状細胞を投与したマウス体内では、腫瘍特異的な細胞障害性T細胞の誘導が確認された。またレジオネラ肺炎モデルにおいては、フラクタルカイン強発現樹状細胞は、コントロールの樹状細胞に比し、より防御的な免疫応答をマウス体内で引き起こした。 以上の結果から、フラクタルカイン強発現樹状細胞は腫瘍免疫や感染免疫の誘導に有用であることが示唆された。
|