研究課題/領域番号 |
15659253
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
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研究分担者 |
鶴田 敏久 東京大学, 教務職員 (70197771)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 先天性疾患 / 胎仔細胞療法 / 骨髄細胞 / 幹細胞 / 可塑性 / 造血発生 |
研究概要 |
先天性疾患に対する胎仔細胞療法の基盤技術開発を目的として、マウス胎仔の心腔内への細胞注射法について検討した。 今回の検討では、胎生10日のマウス胎仔の心腔内へは、比較的容易にAc-LDL-DiIを注射することが可能であった。そこで試みに、本法を用いてマウス胎仔AGM領域における造血発生について解析した。胎生10日のマウス胎仔の心腔内にAc-LDL-DiIを注射した後、ドナー胎仔を全胚培養法を用いて12時間培養した。そうした培養マウス胎仔では、背側大動脈や臍帯動脈にhematopoietic clusterが認められ、末梢血中の一部にはDiI+細胞が存在した。これらのDiI+細胞の15%がc-Kit、34.2%がCD31、28.1%がCD34、7.7%がSca-1を発現していた。FACSで分離されたDiI+/c-Kit+細胞は、未分化な芽球細胞とマクロファージから構成され、コロニー培養では混合コロニーを含む種々のコロニーが形成された。また、これらのDiI+/c-Kit+細胞には、新生児マウスの造血再構築能を有する細胞が含まれていた。さらに、3,000-4,000個の末梢血DiI+細胞を胎生10.5日のマウス胎仔の心腔内に注射した後、全胚培養法で4時間培養すると、DiI+細胞は胎仔肝に特異的にcolonizeした。以上の結果より、胎生10-10.5日のマウス胎仔のAGM領域で発生する造血の少なくとも一部は内皮由来であり、内皮細胞由来の細胞は胎仔肝にcolonizeし得ることが明かとなり、心腔内注射法はマウス胎仔への細胞移植法として有用であった。 本法を用いることにより、先天性疾患に対する胎仔細胞療法のためのマウスモデルの構築が可能となった。
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