研究概要 |
<PERVの制御法の検討> 1.各種糖鎖プロセシング阻害薬を用い、PERV表面のN結合型糖蛋白の高マンノース型糖鎖がヒト細胞への感染に関与することを証明した。 2.次に、PERV-Bを強発現させた、独立した3系統のブタ血管内皮細胞(PEC)に、N結合型糖鎖のプロセシングに関わるα-mannosidase lb (Man lb)とN-Acetylglucosaminyltransferase l (GnT-l)およびmockを遺伝子導入した。これらの細胞由来のPERVを293細胞へ感染させ、感染細胞数の変化をnls-Lac(Z)pseudotype assayにて検討した。Manlb群の感染細胞数は、mock群に比して、それぞれ#1:33%,#2:30%,#3:29%と低下していた。Gnt-l群でも、#1:25%,#2:44%,#3:18%と低下していた。 <siRNAによるPERVの制御> pBlueにpCX/GFPとpSUPER (H1 promoter)を組み込んだcassette vector : pSXGHを作成し、これにgag領域に対するsiRNAを組み込んだ(pSXGH-siRNA)。PERV-Bを強発現させたブタ血管内皮細胞(PEC)にこのvectorを遺伝子導入し、transient cell lineと、さらに数個のstable cloneを樹立した。これらの細胞由来のPERVをヒト胎児腎(HEK293)細胞へ感染させ、感染細胞数の変化をnls-Lac(Z) pseudotype assayにて検討した。1.Mockにたいして、iRNA群(transient cell line)では#1:36%,#2:39%と有意に低下していた。2.Cloneでは、mock cloneに対し#5:26%,#6:14%,#12:15%と低下していた。
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