研究概要 |
リボザイムはRNAを構成成分とし,標的mRNAを認識して切断する.リボザイムのmRNA認識部位である約20塩基をランダム化させ,理論上あらゆるmRNAを認識するリボザイムライブラリーを発現ベクターに組みこんだハイブリッド型リボザイムライブラリーを作成した(東大多比良研究室にて)。ヒト大腸癌由来でヌードマウスにおいて脾臓から肝臓へ転移するがん細胞や、ヒト腎臓がん由来で転移能を獲得していない親株細胞と,転移能を獲得した子細胞株(親株をヌードマウス腎臓皮膜に移植し,肺転移する細胞を繰り返し選抜して得られた)を中心に3種類のがん細胞を準備し、各々の性状を解析し確認した。そこで作成したハイブリッド型リボザイムライブラリーをこれらのヒト癌由来がん細胞に導入して、浸潤能に関する形質が変化することを指標に、転移に関わる遺伝子の同定を試みた。実験担当者の長期病気療養があって初年度の研究計画が大幅に遅れたため転移に関わる新規遺伝子の同定には至っていない。しかし成果が期待できる研究であるため、引き続き研究を継続し、転移能獲得に必要な遺伝子群を必ず同定したい。転移能を喪失する系と転移能を獲得する系の両方で分子群を検索する。候補遺伝子が同定できれば、組換えアデノウイルスに組み込み,細胞レベルでの形質転換を確認する。さらにヌードマウスを用いたin vivoの系で転移を規定する遺伝子であるかどうかを確認したい。 本研究成果はまだ論文発表できていない。研究活動状況を示す参考までに研究代表者の2004年度の発表論文を添付した。
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