研究課題/領域番号 |
15659302
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
近藤 正男 北海道大学, 北海道大学病院, 助手 (30333610)
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研究分担者 |
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
佐藤 裕二 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60261286)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 大腸癌肝転移 / インターフェロン / CD-DST / p21 / iNOS |
研究概要 |
昨年度の実験ではhumanのcell lineでIFN-βの直接的な細胞抑制効果の有無を確認するためにより固形腫瘍に近い状態で検討できるCD-DST法による増殖抑制効果を検討した。Cell lineはHT29とSW480とし、ヒト大腸癌株であるHT29とSW480もIFN-βにより増殖抑制効果を示した。また、細胞増殖抑制がどの機所に働いているかを解明するためにDNAの細胞周期の変化につき検討し、IFN-βにより細胞はS期で停止、細胞増殖を抑制し、IFN・βは細胞周期を直接的に遅延させることにより抗腫瘍効果を発揮することが確認された。IFN-βの抗腫瘍効果のメカニズムである細胞周期進行遅延の原因検索の追加実験を施行した。CDK inhibitor (CKI)(p21WAF1/Cip1,p27Kip1 and P19Ink4)の発現がIFN添加によりどのように変化するのかを検討した。その結果、P21発現はcontrol群では実験期間中ほとんど変化を認めなかったのに対し、IFN添加群では48hrまで時間依存的に発現が増加していた。その発現増加はIFN-α2bに比べIFN-βに有意に強く見られ(P<0.05)、添加後48hrでのp21発現量はIFNα2b添加群では約1.5倍(%control)であったのに対し、IFN-β添加群では約2.5倍増加を認めた。一方p27,p19発現変化ではIFN添加による変化は実験期間内を通じて見られなかった。これらの結果ヒト大腸癌細胞株に対するIFN-βの抗腫瘍効果はp21発現を介した直接的細胞増殖遅延である新知見を得た。in vivoへの応用へ向け、すでに報告されているpAV5、pAV2 CAGhIFN-β geneの導入方法につき、国内学会、欧州大腸癌会議に出席し、関連のあるデータを検索したが、肝転移モデルの検討はなく、この実験の今後の必要性が再認識された。
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