研究課題/領域番号 |
15659332
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐伯 直勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30143275)
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研究分担者 |
村井 尚之 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (80241967)
龍野 一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80282490)
久保田 基夫 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10225211)
高梨 潤一 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00302555)
永井 雄一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (10323396)
石倉 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70222982)
山浦 晶 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40009717)
内野 福生 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80323400)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 血管周囲腔 / 脳脊髄液 / 脳浮腫 / 中枢神経 / 免疫 |
研究概要 |
中枢神経系にはリンパ管は存在しない。それに代わり、血管周囲腔がある。人において、リンパ腫、胚細胞腫などによる傍鞍部腫瘍で視索に沿った脳浮腫様の変化が発生することを、MRの微細な観察で報告してきた。本研究の目的は、浮腫様変化を説明する機序として以下の仮説を証明する事であった。 その変化は、視索上に生理的に存在する血管周囲腔と、脳表のクモ膜下腔との交通路が腫瘍により遮断された結果、細胞外液が局所の血管周囲腔に沿って停滞・貯留した状態である。それは、視索上部から大脳基底核、内包周囲、脳幹など解剖学的に脳深部に規則的に分布することより、脳深部には互いに交通する血管周囲腔・細胞外液腔の潜在的な脈管・交通路が存在する。 そこで、正常例を病理組織学的・免疫組織化学的に観察し、視索周辺に血管周囲腔が存在すること、クモ膜下腔と定常的に交通路を有すること、下垂体部腫瘍例でその交通路がブロックされうる事などを組織学的に提示したことより、その上記の仮説を証明出来たと考えている。 中枢神経内で血管周囲腔をつなぐ交通路の存在は、動物実験では認められているが、国内外を通じ人では全く証明されていなかった。正常例ではこの脈管路は観察が困難であるが、浮腫様変化をきたす病巣例のMR画像ではじめて観察が可能になると考えられる。 この研究は人において、脳浮腫の新しい発生機序、脳脊髄液の産生・吸収の解明に直接関連し、臨床的には神経系の免疫・移植・再生医療に寄与すると考えられる。
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