研究課題/領域番号 |
15659336
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩月 幸一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80346204)
|
研究分担者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00201046)
粟津 邦男 大阪大学, 工学系研究科, 教授 (30324817)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 粥上動脈硬化 / 自由電子レーザー / アテローム / 血管内治療 / 粥状動脈硬化 / 脳梗塞 / コレステロールエステル / レーザー |
研究概要 |
これまでに赤外自由電子レーザー(IR-FEL)が選択的にコレステロールエステルを除去する可能性を示してきた。これは粥状動脈硬化の主要因であるコレステロールエステルのエステル結合の分子振動に対応した波長5.75μmのIR-FELを照射することにより、コレステロールエステルのみが選択的に除去される現象である。これは粥状動脈硬化起因の心筋梗塞、狭心症、脳梗塞等の循環器系疾患の低侵襲的な予防や治療の可能性を示すものである。本研究では、医療応用の基礎としてヒトの粥状動脈硬化部位中のコレステロールをサンプルとして用いて、正常組織への侵襲度の低い選択的除去可能性を、IR-FELを用いて検討し、顕微赤外分光法(FT-IR)により評価考察した。FEL照射用サンプルは、ヒト頚動脈内粥状動脈硬化部位。これをFT-IRで分析すると5.75,6.06,6.45μmにピークがみられた。5.75μmはコレステロールエステル特有の分子間伸縮振動に由来するピークであり、後2者は生体組織蛋白質中に多くみられるアミドI、II結合ピークである。FEL(波長5.75μm,6.06μm)をコレステロール蓄積部位に照射した。FEL照射波長5.75μm、パワー密度15.9W/cm^2、照射時間30-180sec付近の照射条件では、赤外分光測定からアミドI、IIの赤外吸収に変化を与えず、コレステロールエステルを選択的に除去できることが明らかとなった。6.06μmではアミドIの赤外吸収スペクトルピーク値は低減し、コレステロールエステルの選択的除去は困難であった。ステント留置をおこなう血管内治療では、プラークの内容物が血管内に飛散する可能性があり、重篤な合併症である塞栓症の危険が付きまとう。赤外FELを用いる本法によりコレステロールの理想的な選択的除去が血管内治療により可能となることが示された。
|